伊Sibylla社と神経疾患の新規医薬品候補化合物創製で提携契約締結 小野薬品

 小野薬品は14日、Sibylla社(本社:イタリア)と神経疾患に対する新規医薬品候補化合物の創製を目的とした提携契約を締結たと発表した。
 同提携において、小野薬品が選択した神経疾患領域の創薬標的に対して、Sibylla社は独自のタンパク質分解技術プラットフォームであるPPI-FIT技術を活用して、タンパク質の折り畳みに干渉して分解を誘導する低分子化合物(FIDs:Folding Interfering Degraders)を同定する。
 PPI-FITは、天然の状態では創薬に適した結合ポケットが存在しないために創薬が不可能と考えられているタンパク質標的に対する創薬を可能とする技術だ。
 小野薬品は、同提携で同定された化合物をもとに医薬品候補を創製し、全世界で独占的に開発・商業化する権利を保有する。小野薬品は、Sibylla社に対して、契約一時金、研究資金、研究開発の進捗および売上高に応じたマイルストン(総額で最大数億ドル)、ならびに上市後の売上高に応じたロイヤルティを支払う。

◆滝野十一小野薬品取締役専務執行役員研究本部長のコメント
 私たちは、Sibylla社のPPI-FIT技術を高く評価しており、その技術によって従来の創薬手法における制限を克服して、神経疾患に対する新たな治療薬を創製できるものと考えている。この提携は、神経領域における私たちの開発パイプラインを拡充するとともに、神経疾患の患者さんに革新的な医薬品を提供するという私たちにとって戦略上、重要な取り組みの一環である。

◆Lidia Pieri Sibylla社共同創設者兼最高経営責任者(Ph.D.)のコメント
 小野薬品とのパートナーシップにおいて、Sibylla社のタンパク質折りたたみシミュレーションの最先端技術と、小野薬品の神経系の研究領域における豊富な経験との融合を期待している。
 私たちは共に、世界中の患者さんに新たな治療選択肢を提供することを目指している。小野薬品の豊かな歴史、専門知識および文化を高く評価しており、小野薬品と協働できることをうれしく思う。Sibylla社の全社員が小野薬品との緊密な連携を楽しみにしている。

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