ファンペップは4日、花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)を対象疾患として開発中の抗IgE抗体誘導ペプチド「FPP004X」について、塩野義製薬とオプション契約を締結したと発表した。
同オプション契約の締結により、塩野義製薬は、ファンペップが実施する臨床試験の結果等にもとづき、FPP004Xの全世界における独占的研究開発及び商業化権を取得するためのオプション権を獲得する。
塩野義製薬は、同契約締結に伴う一時金として3億円、オプション権が行使された場合のライセンス契約の一時金、進捗に応じた開発および販売マイルストーンとして最大178億円と販売額に応じたロイヤリティをファンペップに支払う。
また、塩野義製薬は、同オプション契約締結に伴いファンペップへ2億円の出資を行う。
ファンペップが前臨床試験を進めるFPP004Xは、体内でIgEに対する抗体産生を誘導することにより治療効果を期待するアレルギーワクチンであり。
IgE(Immunoglobulin E)は、体内に入った異物を排除する働きを持つ抗体の一種で、花粉等の原因物質(アレルゲン)に結合するとアレルギー反応を引き起こす。FPP004Xは、免疫細胞に抗IgE抗体を一定期間産生させることから、アレルギーに対する持続的な効果が期待される。
この特長を活かし、社会問題となっている花粉症を第一の適応症として、花粉飛散前に投与することでシーズンを通して症状を緩和できる、患者にとって利便性の高い新しい治療選択肢の提供を目指す。
今回の提携によって、ファンペップと塩野義製薬は、FPP004Xの前臨床試験及び臨床試験を進め、アレルギーワクチンの早期実現に向けて研究開発を推進していく。