千葉大学から世界規模のコメ型経口ワクチン「MucoRice」再委託研究受託 朝日工業社

ムコライス イメージ図

 朝日工業社は、千葉大学から世界規模のコメ型経口ワクチン「MuocRice-CTB19Aの製造プロセス管理」を受託した。イネ種子(コメ)は、コメ中にタンパク質を大量にため込む性質があり、MucoRice(ムコライス)は、コメにタンパク質であるワクチン抗原を蓄積する遺伝子を組み込み開発された。ムコライスを経口で飲むことでワクチンの効果が期待さおり、コメの持つ常温保存性、経口安定性、生産拡大への適性などの特性を活用した新しいワクチンの創製を目指す。
 今回の業務は、「ワクチン・新規モダリティ研究開発事業」(日本医療研究開発機構先進的研究開発戦略センター(SCARDA)の採択課題「コメ型経口ワクチンMucoRice-CTB_19Aの開発とヒトでの粘膜免疫誘導効果実証とそれを応用した呼吸器感染症に対する新規常温安定備蓄型経口ワクチンプラットフォームを目指す研究開発」(研究代表者:清野宏卓越教授)において、千葉大学から受託したもの。
 コメ型経口ワクチンムコライスは、注射ではなく口から接種する新しいワクチンで、コレラやインフルエンザ等の様々な疾病の予防への展開が期待されている。
 また、ムコライスは常温保存が可能で、保存・流通に冷蔵施設が不要なため、これらの設備の調達が難しい発展途上国や電力の共有が不安定な災害時でも活躍が期待でき、安定に大量生産が可能になれば世界的規模の経口ワクチンとなる可能性を秘めている。
 朝日工業社は、長年の研究により培った植物工場における栽培ノウハウを活かし、ムコライスの安定生産を実現するべく、千葉大学と共同で研究している。
 同社は、これまで遺伝子組換えイネの最適生育環境の研究を続けてきたが、ムコライスの実験室レベルから実用化を考慮した設備・スケールへの拡大の際に、安定生産の課題が浮上した。
 その後の研究で、省エネ型LEDを使用し、またそれに見合った空調環境を整えることによってその課題が克服された。今回の研究開発は、安定生産を前提とした、実用化に向けた一歩となる。今回の連携により、新たなワクチンのプラットフォーム創出による社会の健康増進への貢献を目指し、さらに研究開発を推進していく。

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