小野薬品次期社長に滝野十一氏 相良社長は会長CEOに就任

滝野氏

 小野薬品は11日、4月1日付で滝野十一氏(取締役専務執行役員研究本部長)が代表取締役取締役社長COOに昇格する人事を発表した。相良暁現社長は、代表取締役取締役会長CEOに就任する。
 小野薬品のトップ交代は、相良氏が2008年9月に社長に就任して以来15年半ぶり。相良氏は、がん免疫治療薬「オプジーボ」(PD-1モノクローラル抗体)の販売などを指揮し、小野薬品の業績拡大に大きく寄与してきた。

会長CEOに就任する相良現社長

 同社は、2026年から2031年までの間に各国で徐々に切れていくオプジーボの特許切れを見据えて、欧米での医薬品の自社開発・販売に向けた研究開発および事業展開に注力しており、これまでオノ・ファーマ・ユーエスエーインク副社長、執行役員事業戦略部長、取締役研究本部長などの経験を持つ滝野氏を次期社長に決定した。
 小野薬品は、2017年度に2031年度をゴールとする長期ビジョンを策定し、2024年度は第2期中期経営計画(2022年度~2026年度)の3年目となる。
 第2期中期経営計画では、あらゆる状況に柔軟かつ迅速に対応して世界で通用する企業となることを目指し、4つの成長戦略「製品価値の最大化」「パイプラインの強化とグローバル開発の加速」「欧米自販の実現」「事業ドメインの拡大」を定めて事業活動に取り組んでいる。
 これらの成長戦略を強力に推進し、2026年度を最終年度とした第2期中期経営計画を(確実に)達成するとともに、研究開発力の強化や欧米自販に向けた基盤構築を進め第3期中期経営計画につなげていく。
 その一方で、同社は役員人事案検討会議において、社長後継者計画についての議論を重ねてきた。同会議においては長期ビジョンの実現に向けた経営体制のあり方や社長後継者の選任プロセス等について議論を行うとともに、同会議の主要メンバーである社外取締役が主体的に関与して、同社の持続的な成長をリードするに相応しい人財の選定に向けて議論を展開。
 グローバル企業への飛躍に向けた重要な局面を迎えるにあたり、経営体制の強化を図ることを目的に、今般、役員人事案検討会議での審議を経て、11日開催の取締役会において滝野氏の次期社長就任を決議した。
 滝野氏は、1968年1月14日生(満55歳)。 1995年3月京都大学大学院薬学研究科博士後期課程修了。
 1995年4月小野薬品入社、2006年4月国際部長、2007年3月事業開発部長、2009年 7月オノ・ファーマ・ユーエスエーインク副社長を歴任。2011年6月執行役員、2012年4月執行役員事業戦略本部長、2018年10月執行役員研究統括本部長、2020年6月取締役常務執行役員研究本部長などを経て、2021年6月取締役専務執行役員研究本部長に就任し、現在に至る。

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