2023年の大阪府薬剤師会10大ニュース発表 大阪府薬乾会長

乾氏

 大阪府薬剤師会は13日、大阪市内のホテルで定例記者会見を開催し、乾英夫会長が2023年大阪府薬剤師会10大ニュースを発表した。大阪府薬10大ニュースは次の通り。

(1)新型コロナウイルス感染症の5類引き下げ(5月8日)
 これに伴い、従来より実施してきた「薬と健康の週間の‟府民の集い”」や「府民健康フォーラム」の社会活動、「未来を担う薬剤師フォーラムなどの開催を再開した。

(2)物価高騰、賃金上昇への対応
 6年連続薬価改定による急速な償還価格の下落や備蓄医薬品の資産価値の減少、医療DXデジタルトランスフォーメーションへの対応等による厳しい薬局経営状況が続く現況に対応するため、三師会で大阪府・大阪市に対して支援金を要望し、実現した。

(3)3年以上に及ぶ後発品メーカーのGMP遵守違反等に伴う後発品を中心とした医薬品供給不足
 医薬品を取り揃えるための追加業務による薬剤師の疲弊が著しいが、「安定供給までには後2年掛かるのではないか」との予測もある(乾氏)。
 こうした中、大阪府薬では、11月に3回目となる「薬局の医薬品流通状況アンケート」を実施し、今後、結果をまとめて発表する。

(4)地域フォーミュラリに関する研修会の開催
 同研修会の開催と供に、地域フォーミュラリのガイドラインを作成し、大阪府薬の会員ホームページに掲載した。

(5)電子処方箋の運用開始への対応と薬局薬剤師DX研修会の開催

(6)研究マインド兼ね備えた薬剤師の育成のための「大阪府薬剤師会学術研究カンファレンス」の開催(8月27日)

(7)若者による市販薬のオーバードーズ防止啓発
 大阪府薬のホームページにおける府民への啓発資材による周知に加えて、楽曲「悲しき避難場所 オーバードーズ」および体操を制作して防止啓発活動を展開している。

(8)緊急避妊薬販売に係る環境整備のための調査事業開始(11月28日よりスタート)
 大阪府薬会営中央薬局を始めとする大阪府内6薬局(全国では145薬局)による国の調査研究としての緊急避妊薬の試験販売が開始された。

(9)特区での調剤業務の一部外部委託事業の推進
 同事業は、薬剤師の対人業務の充実目的としたもので、国が認めて、現在、大阪府と大阪市、薬局DX推進コンソーシアムが三者共同で実施を進めている。
 対人業務に関しては、充実のために国の事業として大阪府が委託を受け「薬剤レビュー・ワークショップ(研修会)」が8月に開催され、大阪府薬も参加協力した。

(10)大阪府薬生涯教育制度のさらなる充実のための検討を推進
(番外)
・菱谷博次氏の専務理事就任
・薬剤師の鈴木りえ氏が大阪市議選挙初当選(4月10日) 

 その中で、3回目の「現場の医薬品流通状況アンケート」では、鎮咳薬、袪痰薬、漢方薬、総合感冒薬が8~9割の薬局で不足していることが判明している。
 また、緊急避妊薬販売に係る環境整備のための調査事業は、調査研究を通して、今後OTC化するのかの議論をするもので、事業を開始して3週目に入った。
 堀越博一常務理事は、「利用者は一定人数いるが、今のところ大きなトラブルは聞いていない」と報告。
 その上で、「調査事業を実施している薬局は、各県3軒、東京、神奈川、大阪、兵庫県では6軒ずつあるが、初めての事業なので、来週、近畿2府4県における事業展開薬局がWEB参加しての連絡会を開催する」と述べた。
 一方、「薬剤レビュー・ワークショップ(研修会)」は、国の事業として長野県上田市、大阪府、千葉県で実施される。
 薬剤レビューは、オーストラリア薬剤師連盟が考案した手法で、「ある程度仮説を立てて薬剤に対する問題を抽出し、さらに分析をするための情報収集を行い、解決すべき薬物問題事象を特定して最終的にSOAPに沿った情報を伝達する」というもの。
 大阪府薬では、来年2月24日に薬剤レビュー研修会を開催する。

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