2023年12月期第3四半期連結決算 対前年同期比大幅増収 アンジェス

8月9日公表の連結業績上方修正予想据え置き

 アンジェスの2023年12月期第3四半期(23年1月~9月)連結決算は、売上高1億0200万円(対前年同期比123.6%増)、営業利益△92億0700万円(同△124億5500万円)、経常利益△47億2000万円(同△100.62億円)、親会社株主に帰属する四半期純利益△47億9800万円(同△101.94億円)となった。
 同第3四半期累計期間の事業収益は前年同期に比べ5600万円増加し、大幅増収となった。HGF遺伝子治療用製品コラテジェンの条件及び期限付製造販売の承認を取得し、2019年9月から田辺三菱製薬より販売している。
 2023年5月31日に条件解除に向けた製造販売承認申請を提出したが、当第3四半期連結累計期間においては、これまで同様、複数診療科で重症下肢虚血の治療を行っている専門医のいる病院のみでの使用となっているため製品売上高は1500万円(同700万円の増加)となっている。
 一方、アンジェスクリニカルリサーチラボラトリー(ACRL)においては、一般社団法人希少疾患の医療と研究を推進する会(CReARID)が展開する拡大新生児スクリーニングである「オプショナルスクリーニング」を受託しており、前年同期に比べ受託数が順調に増加。手数料収入として7300万円(同3500万円の増加)を計上した。
 ACRLでは、今年7月には拡大新生児スクリーニングの問い合わせ窓口を開設し、来期から各地の自治体や関係機関からの新たな受託を目指している。また、連結子会社EmendoBio社においてOMNI Platform技術に関する売上を、研究開発事業収益として1300万円計上している。
 事業費用は、前年同期に比べ31億9000万円減少し、93億1000万円(同25.5%減)となった。売上原価は、前年同期に比べ1700万円増加し、9000万円(同23.2%増)となった。
 コラテジェンの製品売上原価は前年同期より900万円減少し、1400万円となった。コラテジェンの製品売上高は増加したが、前年同期に使用期限切れによる廃棄が見込まれる製品の評価損を計上していた。
 当期において、製品評価損が減少し、製品売上原価が減少している。ACRLにおけるオプショナルスクリーニングにかかる原価は、新規検査機器購入による減価償却額等の計上により前年同期に比べ2600万円増加し、7600万円(同52.4%増)となった。
 研究開発費は、前年同期に比べ36億8800万円減少し、48億3900万円(同43.3%減)となった。2020年度よりプラスミドDNAの技術を用いた新型コロナウイルス感染症予防DNAワクチンの開発を開始し、臨床試験及び非臨床試験を実施していたが、昨年度にこれまでのワクチン開発の中止を決定している。これにより研究用材料費が6億0100万円、外注費が34億9500万円減少している。
 同社グループのような研究開発型バイオベンチャー企業は先行投資が続くが、提携戦略などにより財務リスクの低減を図りながら、今後も研究開発投資を行っていく予定である。
 販売費及び一般管理費は前年同期に比べ4億8000万円増加し、43億8000万円(同12.3%増)となった。
 2023年12月期の連結業績予想(2023年1月1日~2023年12月31日)は、売上高1億9000万円(対前期比183.3%増)、営業利益△135億円、経常利益△75億円、親会社株主に帰属する当期純利益75億円。

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