開発中の「骨髄線維症」および「急性白血病」の抗がん剤 P1/2試験で良好な忍容性 住友ファーマ

 住友ファーマは6日、開発中の抗がん剤について、選択的経口 PIM1キナーゼ阻害剤「TP-3654」(骨髄線維症)およびメニン-MLLタンパク質結合阻害剤「DSP-5336」(急性白血病)のP1/2試験で良好な忍容性を示したと発表した。
 TP-3654については、JAK阻害剤による前治療歴があるまたは JAK阻害剤による治療対象とならない、再発または難治性の骨髄線維症患者を対象に実施中のP1/2試験の予備的なデータにおいて、TP-3654の経口投与による骨髄抑制性の有害事象は少なく、良好な忍容性が示された。
 また、TP-3654は、脾臓容積減少、総症状スコアの改善、関連するサイトカインの減少など、初期の臨床活性が認められた。
 DSP-5336については、再発または難治性の急性白血病患者を対象に実施中のP1/2 試験の予備的な臨床データにおいて、DSP-5336 の経口投与は心毒性が観察されていないことを含め、用量制限毒性がなく、良好な忍容性が示された。
 また、DSP-5336は、白血病で一般的に発現している遺伝子(HOXA9、MEIS1、PBX3)を迅速に減少させるなど、標的に対する薬力学的変化が観察された。同変化は、特にKMT2A(MLL)遺伝子の再構成またはNPM1 遺伝子の変異を特徴とする急性骨髄性白血病の患者で見られた。
 これらの最新の予備的な臨床データは、米国子会社の住友ファーマアメリカ(SMPA社)が、12月9日~12日まで米国サンディエゴで開催される米国血液学会(ASH)2023年年次総会で発表される。

◆ジェイティン・シャーSMPA社 Chief Oncology Development Officerのコメント
 我々は、TP-3654 および DSP-5336 のフェーズ 1/2 試験の予備的な結果において、初期の臨床活性が示されたことを嬉しく思う。12 月に開催される ASH の年次総会でデータを共有し、両化合物に関する重要な科学的議論を行うことができることを楽しみにしている。
 患者さんのアウトカムを改善すること、新たながんの治療法の開発は当社が重点を置いていることであり、我々は多様な研究パイプラインの可能性を追求することに引き続き全力を尽くす。

タイトルとURLをコピーしました