エーザイは4日、同社完全子会社のカン研究所を2024年4月1日付けで吸収合併すると発表した。なお、同合併は、エーザイの完全子会社を対象とする簡易吸収合併であるため、開示事項・内容を一部省略して開示している。
エーザイグループの研究開発体制は、2022年10月よりDeep Human Biology Learning(DHBL)創薬体制に移行している。DHBL創薬体制では、疾患を連続体(Disease Continuum)と捉え、疾患の根本原因に紐づくゲノム情報、病態生理学的情報、臨床情報を包括的に解析し、疾患概念を再定義 した上で、同社の薬剤を服用した患者から得たバイオマーカー、イメージング等の情報から次の創薬につながるデータを獲得することで、ヒューマンバイオロジーを深化させ、革新的な次世代の 創薬コンセプトの創出をめざしている。
カン研究所は、エーザイとは異なるアプローチによる創薬活動を推進するため、自主独立運営が可能な別法人として1997年に設立。抗体取得や脳内薬物送達、遺伝子改変モデル動物作成などにおいて、独自の技術開発に成功している。
一方、DHBL 創薬体制においては、同社グループ研究開発関連組織における一体的な施設・費用 の運用および人財の効果的な配置を推進しており、カン研究所の人財・技術・施設等をDHBL創薬体制で最大限活用するため、エーザイにカン研究所を吸収合併することになった。
同合併によりエーザイは、ヒューマンバイオロジーをより深化させるとともに、カン研究所の研究サイトを主要な探索研究拠点として引き続きイノベーション創出の一翼を担っていく。