サノフィは25日、デュピクセントについて、アトピー性皮膚炎における生後 6 ヵ月以上の小児に対する用法及び用量追加の追加承認を取得したと発表した。
中等症から重症のアトピー性皮膚炎では、ステロイド外用剤(TCS)やタクロリムス外用剤などの抗炎症外用剤による適切な治療を一定期間実施しても十分な効果が得られず、高頻度かつ長期間の再燃が認められる場合がある。現在、15歳未満の患者に対する全身療法の治療選択肢は限られており、中でも、12 歳未満の患者に対する全身療法は、国内では承認されていない。
乳幼児期や思春期をはじめとするアトピー性皮膚炎の子供たちやそのご家族は、疾患に対する悩みを抱えているケースも多く、既存治療で効果不十分であるにもかかわらず治療選択肢が限られている患者層への新たな治療選択肢が求められている。
デュピクセントは、2型炎症において中心的な役割を果たすタンパク質インターロイキン(IL)-4 および IL-13 の作用を阻害する完全ヒトモノクローナル抗体製剤である。2型炎症は、デュピクセントの承認された適応症であるアトピー性皮膚炎や気管支喘息、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎、結節性痒疹や、開発中の特発性の慢性蕁麻疹などにも関与していることが明らかになっている。
小児アトピー性皮膚炎患者を対象とした国内P3試験では、デュピクセントの投与によって、主要評価項目であるEASI-75(Eczema Area and Severity Index スコアがベースラインから 75%以上の改善)を達成した患者の割合がプラセボ投与群よりも有意に高かったことが示されている。(p=0.0304)
同試験における安全性データは、デュピクセントで確立されている安全性プロファイルと一致するもので、新たな有害事象は報告されなかった。