抗サイトメガロウイルス化学療法剤「プレバイミス」 投与期間変更で電子添文改訂 MSD

 MSDは7日、抗サイトメガロウイルス化学療法剤「プレバイミス錠」および「プレバイミス点滴静注」について、投与期間の目安を移植後100日目から200日目に変更する電子添文改訂を行ったと発表した。
 サイトメガロウイルス(CMV)は、幼少期に感染し、不顕性感染の形で、宿主に生涯潜伏し続けることが一般的だ。だが、免疫抑制状態下では潜伏していたCMVの再活性化や新たな感染により、腸炎、肺炎、網膜炎などの重篤なCMV感染症を引き起こして、死に至るケースもある。
 同種造血幹細胞移植を受けた患者は、免疫力が著しく低下しており、CMV再活性化(CMV感染)が高頻度にみとめられ、その感染が死亡率の増加をはじめ、移植後の予後に関わっていると報告されている。日本において、同種造血幹細胞移植は年間約3700件が実施されている。
 「プレバイミス」は、「同種造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制」の効能又は効果を有するCMVターミナーゼ阻害剤で、ヒトには存在しないCMVのDNAターミナーゼを阻害することでウイルスの増殖を抑制する。
 投与期間については、これまで移植後28日以内から移植後100日目までが目安となっていましたが、リスクを有する患者では、予防投与終了後にもCMV感染が起こる場合があり、移植後の感染対策の課題となっていた。
 今回、移植後14週(約100日)以降もCMV感染及び感染症リスクを有するCMV抗体陽性の成人同種造血幹細胞移植患者220例を対象とした国際共同第3相試験において、主要評価項目である移植後14週(約100日)から28週(約200日)までに臨床的に意味のあるCMV感染が認められた患者の割合は、プレバイミス約100日投与群と比較して約200日投与群で統計学的に有意に低下したことから、同添付文書の改訂を行った。
 この改訂により、患者さんのCMV感染症の発症リスクを考慮しながら移植後200日目までを目安にプレバイミスを投与することが可能となり、移植医療へのさらなる貢献が期待される。

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