重症春季カタル治療薬Verkazia 中国で承認取得 参天製薬

 参天製薬は10日、4歳以上の小児および成人の重症春季カタルの治療薬Verkazia(シクロスポリン点眼液[Ⅲ])について、中国国家薬品監督局(NMPA)より承認を取得したと発表した。
 同承認により、中国国内における春季カタルの治療計画において、より有効かつ安全な選択肢が提供され、ひいては春季カタル患者により大きなベネフィットをもたらすことに繋がる。
 春季カタルは、小児および若年成人に多く見られる再発性の重症アレルギー性眼疾患で、眼表面に重度の炎症が見られる特徴がる。 強い目のかゆみや痛み、通常ならまぶしいと感じない光量に対して、まぶしさを覚える状態である羞明等を伴い、日常生活に支障を来す場合もある。適切な治療を行わない場合、角膜潰瘍や視力障害を引き起こすケースも指摘されている。
 アレルギー性結膜炎については、米国では人口の約40%が罹患していると報告されている。アジアにおいては、日本の人口の15~20%にアレルギー性結膜炎の罹患歴があり、春季カタルはそのうちの約3.8%を占める。
 中国では、春季カタルはアレルギー性結膜炎のうち約11%を占めている。春季カタルは、再発しやすい疾患で、数カ月間から数年間という長期の治療が必要となる。特に、小児においては、これまで長期的な症状管理として利用できる治療薬がなく、効果的な治療選択肢が望まれていた。
 医療用点眼薬であるVerkaziaは、参天製薬が独自に開発したカチオニック(プラスに帯電したイオン)乳化点眼液である。この製剤技術により、シクロスポリンの眼でのバイオアベイラビリティー(生物学的利用能iv)を改善し、春季カタルの治療管理に有効なことが明らかになっている。
 同製品は、春季カタル患者の眼表面に見られる、重度の慢性アレルギー性炎症の原因となるIL-2などの炎症性サイトカインの放出阻害により作用すると考えられている。

 ◆谷内樹生参天製薬代表取締役社長兼CEOのコメント
 春季カタルは子どもに多いアレルギー性結膜炎で、症状を発現するとかゆみや痛みにより目が開けられず、日常生活や学業生活が制限される等、QOLに著しい影響を与える希少疾病である。
 引き続き、中国の患者さんのアンメットニーズを満たす革新的な新製品の開発・市場導入による製品ポートフォリオの拡充を図り、患者さんへの貢献を高め、中国における眼の健康増進に取り組んでいく。

 ◆Santen中国事業統括の山田貴之氏のコメント
 中国の小児および成人の重症春季カタルの患者さんに Verkaziaをお届けできることを誇りに思う。春季カタルは、これまで最適な治療法がなく日常生活に支障をきたすことのある疾患で、視力を失うこともあるす。同製品の承認により、症状に悩む重症春季カタルの患者さんが日常生活に戻るための新たな治療選択肢を提供することができるようになった。
 Verkaziaの迅速な承認は“チャイナスピード”(驚くべき速さ)を実証しており、臨床ニーズを有する患者さんに真のベネフィットをもたらす。私たちは、中国の患者さんに向けて、今後も革新的かつ高品質の製品を開発・提供していく。
 そして様々なステークホルダーと協力し、眼科エコシステムの開発を進め、国家的なイニシアティブである”Healthy China 2030“の目標達成に貢献していきたい。

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