商品の出張販売等による北海道固有の社会課題解決目指してヤマト運輸と協定 サツドラHD

移動販売専用車の荷台

 サツドラHD(本社:北海道札幌市)は25日、ヤマトとパートナーシップ協定基本合意書を同日、締結したと発表した。これにより、サツドラHDのグループ会社であるサッポロドラッグストアー(サツドラ)が運営する店舗と連携し、北海道固有の社会課題解決や持続可能な地域社会の実現を目指す。
 サツドラグループは、中期経営計画において北海道を基点とした「地域に関わるあらゆるヒト・モノ・コトをつなぎ、未来を豊かにする地域コネクティッドビジネス」をビジョンに掲げ、自社の持つ経営資源を活用しビジネスを通じた社会課題解決を図っている。環境や健康、人材育成、魅力発信などにおいて、地域社会の活性化を目的とした包括連携協定を北海道と締結している。
 一方、ヤマト運輸は、持続可能で豊かな社会の実現に貢献するため、地域企業や地方自治体などと連携し、地域と一体になった取り組みを積極的に行っている。
 北海道では、人口減少や少子高齢化をはじめとした様々な社会課題がある。また、その広大な土地や冬の積雪の影響により、特に地方部では物流網の維持が難しくなる可能性がある。
 お互いの理念に共感した両社は、2021年11月からヤマト運輸の奥尻営業所をサツドラのサテライト店舗として、日用品などの販売の実証実験を開始。2022年8月からは、同営業所の集配車両を活用し、食品や日用品などを出張販売する実証実験を行っている。
 今回、同協定の締結を通じ、すでに実施している取り組みだけでなく、新たな取り組みやサービスを開始することで、北海道における持続可能な地域社会の実現に貢献する。同協定による具体的な取り組みは次の通り。

(1)顧客の利便性向上
サツドラ店舗で荷物を受け取ることができる「店頭受け取りサービス」や、サツドラ店舗で買った商品を北海道内の自宅まで配送する「手ぶらでお買い物便」、サツドラ店舗の敷地内にオープン型宅配便ロッカー「PUDOステーション」を設置するなど、顧客の利便性向上に向けた取り組みを行っている。
 今後、新設されるサツドラ店舗は、あらかじめ「PUDOステーション」の設置が可能なスペースを確保した設計にする。
 「PUDOステーション」は、Packcity Japan(パックシティジャパン)が運営する、オープン型宅配便ロッカー。駅やスーパーマーケット、ドラッグストアなど顧客の生活動線上に設置し、24時間都合のよいタイミングで宅急便の「受け取る」「送る」を便利に利用できる。
 
(2)小商圏地域における買い物環境支援
 少子高齢化に伴い商圏人口が減少している地方部において、住む人々の生活や買い物環境を支えるために、2021年11月からヤマト運輸の奥尻営業所をはじめ北海道内の4つの営業所内に、サツドラのサテライト店舗を設置する実証実験に取り組んでいる。
 今後、サツドラが販売するプライベートブランド商品の販売も検討し、サテライト店舗で取り扱う商品の拡充を進めていく。

営業所の外観
                                   サツドラサテライト店舗(常呂営業所内)

(3)買い物困難者に対する支援
 買い物困難者を支援する取り組みとして、2022年8月からヤマト運輸の奥尻営業所にある宅配集配車両を活用した移動販売専用車を運行してきた。買い物困難者が居住する地区にサツドラ店舗で取り扱う商品を出張販売する実証実験を行っている。
 2023年8月には、移動販売専用車を新規導入する。より多くの商品を出張販売できる環境を構築し、買い物困難者に対する支援を拡充していく。

集配車両を活用した移動販売専用車

(4)効率的な物流の実現
 これまで、サツドラ店舗への商品の納品は、店舗ごとにトラックを手配し、輸送していた。
 今回、ヤマト運輸の輸配送ネットワークを納品フローの一部で活用することで、生鮮食品を取り扱うサツドラ店舗あての精肉の納品や、サテライト店舗あての納品において、多頻度小ロットでの配送が可能になる。

<フロー図>


 サツドラHDでは、今後も、ヤマト運輸の輸配送ネットワークを活用することで、より効率的で安定した商品の納品を実現し、地域住民の充実した買い物環境の提供に貢献していく。

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