エグザクトサイエンスは6日、オンコタイプ DX 乳がん再発スコアプログラムが、9月1日より保険収載される見込みにあると発表した。
中央社会保険医療協議会が同スコアプログラムを国民皆保険制度下の保険適用製品の審議対象に含め、7 月5日付けで了承した。
オンコタイプDX乳がん再発スコアプログラムは、オンコタイプDX乳がん再発スコア検査および日本向けに開発されたソフトウェアを組み合わせたもの。
同検査では、一定の条件を満たす乳がん患者さんを対象に、乳がん組織に含まれる21個の遺伝子を調べ、各遺伝子の発現状況から独自のアルゴリズムにより、0から100までの数字で表される再発スコア結果を算出する。
再発スコア結果は、手術後にどの程度再発しやすいかの予測とあわせて、術後薬物療法を検討する際に、「ホルモン療法」に「化学療法」を追加するかどうかの意思決定の助けになる情報を提供する。
現在、世界中で100万人以上の患者がこの検査の恩恵を受けており、日本乳癌学会、欧州腫瘍学会(ESMO)、ザンクトガレン国際乳癌会議、米国臨床腫瘍学会(ASCO)、米国国立包括癌ネットワーク(NCCN)などの主要な乳癌治療ガイドラインに取り入れられている。
日本では、エグザクトサイエンスが2021年8月に厚労省からホルモン受容体陽性、HER2 陰性で、リンパ節転移が無いか、あっても3個以内の早期浸潤性乳がん患者を対象に、遠隔再発リスクを提示し、化学療法の要否の決定を補助するものとして同プログラムの薬事承認を受けている。
米国のエグザクトサイエンスコーポレーションは、日本のグループ会社であるエグザクトサイエンスを通じて同プログラムを発売する。
乳がんは、日本人女性に最も多いがんである。がん研究振興財団のがんの統計2022によれば、2021年には日本で新たに9万4000人を超える人が乳がんと診断されたと予測されている。
◆中村清吾昭和大学臨床ゲノム研究所所長(医師)のコメント
今回の承認は、日本の乳がん患者さんの個別化治療実現への大きな前進となるであろうと期待している。オンコタイプ DX検査は、すでに日本乳癌学会の治療ガイドラインに取り入れられている。
オンコタイプDX乳がん再発スコアプログラムを使用することで、その人の乳がんがどの程度再発しやすそうなのか、また化学療法を行うことで、どの程度その再発のリスクを下げることができそうかといった情報が分かる。
再発スコア結果は、意思決定に有用な情報を提供することで、医療者と患者さんが話し合い、手術後の薬の治療をどうするかについて、納得して治療方針を決める、いわゆるShared Decision Makingの一助になると期待している。
◆木村重雄エグザクトサイエンスコマーシャルディレクターのコメント
今回、中医協の了承によりオンコタイプ DX乳がん再発スコアプログラムを使用して頂くことで、乳がん患者さんが医師と話し合い、納得した上での治療の選択に貢献できることを期待している。