心不全に関する疾患啓発ウェブサイト『Spotlight On Heart Failure』を新規開設 日本循環器協会とアストラゼネカ

 日本循環器協会とアストラゼネカは18日、日本の患者と家族向けの心不全啓発ウェブサイト『Spotlight On Heart Failure』(https://www.spotlightonheartfailure.jp/ )を同日に開設したと発表した。
 同ウェブサイトは、日本循環器協会が公募する初の「一般向け心不全啓発ホームページ事業」に採択され、心不全の症状、原因、診断方法について理解を深め、患者ひとりひとりの未来を願って開設されたもの。
 『Spotlight On Heart Failure』は、心不全に関する啓発を目的に、アストラゼネカが世界心臓連合と協力して開発した。
 この取り組みは、心不全発症のリスクを抱える人や、既に心不全と診断を受けた人、その家族の体験にスポットライトを当て、心不全の理解促進を図るとともに、この深刻な疾患の影響を受けている多くの人々への周知を目的としている。
 同目的のもと、日本では、日本循環器協会と連携し、世界心臓連合と共同開発したものとは異なる情報発信を目指す。
 心不全の患者数は、日本で130万人、欧州で1500 万人、米国で600 万人、世界で約6400 万人(少なくとも半数は左室駆出率低下を有する)と推定されている。心不全は、患者の半数が診断されてから5年以内に死亡する慢性の疾患である。また、65歳以上で入院する人の理由として最も多い疾患で、臨床的および経済的に大きな負担となっている。

◆小室一成日本循環器協会の代表理事・東京大学大学院医学系研究科循環器内科学教授のコメント
 患者数が急増している心不全の予後は、がんよりも悪いと言われているが、心不全の特徴は予防が大変有効である。
 心不全は、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病が原因となるため、食事や運動といった生活習慣の改善や適切な治療が予防になる。また、認知度が低いために症状があるにも関わらず見逃されていることも多い。
 そこでひとりでも多くの人に心不全について知り、予防して頂きたいと思い疾患啓発用のウェブサイトを開設しました。『Spotlight On Heart Failure』がその一助になれば幸いである。

◆緒方史子アストラゼネカ循環器・腎・代謝/消化器(CVRM)事業本部長のコメント
 心不全は、日本に130万人存在すると言われており、その予後については 5 年生存率が約50%であるにも関わらず、がんと比較すると、一般の人々の認知は十分ではない。
 そのため、まずは心不全について一般の人々に広く正しく理解して頂くことが重要だと考えている。このウェブサイトを通じて、多くの生活者にとって、心不全の発症を防ぐことに寄与できれば幸いである。
 さらには、日本循環器協会の皆様の協力を得て、適切な受診につながり、心不全で苦しむ患者さんがひとりでも少なくなる社会の構築を目指していく。

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