塩野義製薬は、2022年11月24日~2023年5月23日までの新型コロナ経口治療薬「ゾコーバ」の使用状況や副作用に関する市販後調査の最終報告を、同社医療関係者向けサイトで公表した。その間の推定使用患者数は5万4924人(登録センター登録患者数+MRが医療従事者から確認した患者数[一般流通後])。なお、登録センター登録患者数+納入数量より算出した患者数(一般流通後)は7万2322人。同調査は、本年5月23日をもって6 ヵ月の調査を終了したため、今回が最終報告となる。
5万4924人における使用患者状況では、重篤な副作用報告は、アナフィラキシー反応2件、てんかん1件、低血圧1件、麻痺性イレウス1件、薬疹1件、発疹1件、急性腎障害1件、流産1件、低体温1件、浮腫1件の合計11件あった。
使用患者の年齢群別内訳は、10歳以上20歳未満4779人、20歳以上30歳未満9123名、30歳以上40歳未満9096人、40歳以上50歳未満1万0777人、50歳以上60歳未満9345人、60歳以上70歳未満3806人、70歳以上80歳未満2098人、80歳以上90歳未満1448人、90歳以上618人、不明3834人。年齢別では、20代から50代の使用が多く、全体の69.8%を占める。
副作用は、重篤症例11件、非重篤な副作用例数は1028件。
1028件の内訳は、神経障害202件(頭痛156件など)、胃腸障害555件(下痢257件、悪心151件、嘔吐66件など)、皮膚および皮下組織障害129件など。
また、現在、肝機能障害を有する被験者を対象とした臨床薬理試験を実施中で、市販直後調査において現時点で、中等度の肝機能障害のある患者へゾコーバを投与した症例が6例集積されている。現時点で副作用等の発現はない。