MSDは12日、キイトルーダと化学療法との併用療法について、HER2陰性の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する適応追加承認申請を行ったと発表した。
胃がんは、日本で3番目に多いがんで、がんの死因でも第3位となっている。2019年には約12.4万人が新たに胃がんと診断され、2020年には約4.2万人が死亡している。
胃がんは初期症状がほとんどなく、長年にわたりゆっくり進行することが多いため、進行してから発見されることも少なくない。胃がんのほとんどは腺がんで、胃粘膜の中にある胃液を分泌する腺細胞から発生する。
また、食道胃接合部腺がんは、食道と胃の境目に発生する腺がんで、近年増加している。Ⅳ期の胃がんと診断された患者の5年相対生存率は6.2%で、新たな治療法の開発が喫緊に求められていた。
今回の適応追加申請は、国際共同P3試験であるKEYNOTE-859試験の結果に基づくもの。同試験において、HER2陰性の治癒切除不能な進行・再発の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんの患者に対する一次治療として、キイトルーダと化学療法(フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤)の併用療法をプラセボと化学療法の併用療法と比較したところ、キイトルーダと化学療法の併用療法では主要評価項目である全生存率(OS)の有意な改善が示された。
また、副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)および奏効率(ORR)についても、統計学的に有意で臨床的に意味のある改善が認められた。
なお、同試験におけるキイトルーダと化学療法の併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告されている臨床試験と同様であった。