参天製薬は11日、Webによる2023年3月期決算説明会を開催し、伊藤毅社長兼CEOが、「コスト最適化の取り組みの順調な進捗に加えて、第4四半期にアレジオン(抗アレルギー点眼薬)などの日本の主力品が想定以上に好調に推移し、2022年度の業績予想を上回った」と説明。
その一方で、「依然収益性の改善が急務であると認識している」と訴求した。
2022年業績は、売上収益2790億3700万円(対前年比4.8%増)、営業利益△ 30億9000万円、当期利益△149億8300万円。
伊藤氏は、昨年9月に社長兼CEOに就任以来、「足元の業績回復」、「中長期的な成長に向けての収益性改善の取り組み強化」や「成長の柱の確立とそれを推進する組織体制の構築」に注力してきた。これらの施策を反映した中期経営計画(本年4月発表)を「全社一丸となって推進し、着実な成果を出していく」
コスト最適化は、①購買活動等による外部への支払金額の抑制、②組織体制の見直しーを柱とする。また、収益性改善の一つである米州事業は、「2023年度上期中の合理化に向けて現在様々な交渉や整理事業を進めている」と報告。これにより「2022年度と比較して、広域利益で約34億円、地域利益で50億円弱の改善を見込んでいる」
2023年度は、国内主力品の「アレジオンLX」、角膜疾患治療薬「ジクアス」、緑内障治療薬「タプロス」の特許切れを見込んで対前年減収、収益性改善に向けた取り組みの進捗により増収を予想している。
また、地域事業の中長期的な成長を目指して、コマーシャルエクセレンスの海外展開に向けた施策を展開する。
研究開発費は、290億円(対前年比2.5%増)で、「研究開発にこれまで以上投資していく」考えだ。
2025年度までは引き続き既存の疾患領域が成長を底堅く支えて、2026年度からは近視や眼瞼下垂など大型化が期待される新規疾患領域ともに進展していく。
2023年度業績予想は、売上収益2730億円(2.2%減)、営業利益320億円、当期利益224億円。