チウパダシニブ 全身性エリテマトーデス対象の臨床試験がP3相に進展 アッヴィ

 アッヴィは、ウパダシチニブについて、全身性エリテマトーデスを対象とした臨床開発プログラムがP3相へ進展すると発表した。
 P3試験への移行は、中等症から重症の活動性エリテマトーデス(SLE)を対象にしたウパダシチニブの単独投与または併用投与(ABBV-599)を行ったP2試験であるM19-130試験(SLEek試験)の好結果によるもの。
 SLEek試験では、ウパダシチニブ30 mg投与群において、主要評価項目である投与24週時のSLE Responder Index(SRI-4)およびプレドニゾン換算で1日10 mg以下のステロイド減量を達成した。
 この結果に基づき、アッヴィはSLEを対象としたウパダシチニブの臨床開発プログラムをP3試験に進めている。
 P2試験には計341人の患者が登録され、その後の治療計画に従って5つの治療群に分けられた(ウパダシチニブとプラセボの併用投与;2つの異なる用量のウパダシチニブとelsubrutinibの併用; elsubrutinibとプラセボの併用;プラセボのみ)。
 主要評価項目は、SRI-4およびプレドニゾン換算で1日10 mg以下のステロイド減量の達成とした。SRI-4は、全身状態の悪化または新たな器官系における重大な疾患活動性の発現を伴わない、 SLE Disease Activity Index 2000(SLEDAI-2K)スコアの4ポイント以上の減少と定義した。
 同試験のウパダシチニブ30 mg群の安全性の結果は、ウパダシチニブの既知の安全性プロファイルと概ね一致しており、新たな安全性シグナルは特定されなかった。
 ウパダシチニブとelsubrutinibの併用療法で報告された有害事象の種類は、ウパダシチニブ単独療法で報告された有害事象と同様であった。同試験の全ての結果は、今後の医学学会で発表予定である。
 なお、ウパダシチニブおよびelsubrutinibのSLEの適応症は承認されておらず、その安全性および有効性は規制当局によって評価されていない。

◆Roopal Thakkarアッヴィsenior vice president, development, regulatory affairs 兼 chief medical officer(M.D.)のコメント
 全身性エリテマトーデスは非常に予測困難な生涯にわたる疾患であり、患者さんへの影響は時間とともに変化する可能性がある。
 そのため、さらなる治療選択肢が切実に求められている。リウマチ性疾患の治療に対する四半世紀にわたる経験と取り組みにより、我々は全身性エリテマトーデスのようなアンメットニーズの高い領域に引き続き重点を置いている。
 また、ウパダシチニブが患者さんにもたらし得る、潜在的なベネフィットのさらなる評価を期待している。

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