ムコ多糖症II型治療剤「イズカーゴ」 JCRファーマと国内共同プロモーション契約締結 住友ファーマ

 住友ファーマは6日、JCRファーマがムコ多糖症 II 型の適応症で販売中の遺伝子組換えムコ多糖症 II型治療剤「イズカーゴ」について、日本における共同プロモーションに関する契約を締結したと発表した。
 JCRファーマと住友ファーマは、24日から医療関係者に対する同剤の情報提供活動を共同で実施する。製造・販売はこれまで通りJCRファーマが担当する。
 ムコ多糖症 II 型(ハンター症候群)は、厚生労働省指定難病。小児慢性特定疾病。ライソゾーム病の一種で、日本国内におけるムコ多糖症の発症頻度は出生10万人当たり1.53 人、ムコ多糖症II型の発症頻度は出生10万人当たり 0.84 人(11.9 万人に 1 人)と報告されている。
 主な症状として、関節拘縮や骨変形、肝臓・脾臓の肥大、呼吸障害、弁膜疾患等、幅広い症状が挙げられ、特に中枢神経症状が課題となっている。
 住友ファーマは、同契約締結時に、JCRファーマに対して契約一時金を支払う。また、住友ファーマは、同剤のプロモーションに伴いJCRファーマより受領する対価を売上収益に計上する。
 同剤は、JCRファーマが開発したライソゾーム病の一種であるムコ多糖症 II 型(ハンター症候群)に対する治療薬であり、JCRファーマが有する血液脳関門通過技術である J-Brain Cargo を用い、血液脳関門を通過し、脳実質細胞への直接の作用を発揮する世界で初めての点滴静注による医薬品である。
 全身症状だけではなく中枢神経系症状の改善または進行の抑制が期待できる。JCRファーマは、2021 年 5 月より同剤を販売しており、2023 年 3 月期第 3 四半期累計の売上高は約 34 億円である。
 住友ファーマは、ライソゾーム病の一種であるファブリー病などのレアディジーズ領域を国内営業重点領域の一つに位置付けており、同領域で長年にわたる販売経験を有している。
 JCRファーマとは、2022年3月に遺伝子組換えファブリー病治療剤「アガルシダーゼ ベータ BS 点滴静注「JCR」」の販売提携契約を締結し、ライソゾーム病領域での協業関係を強化している。
 両社は、同剤の共同プロモーションを通じて、ムコ多糖症 II 型(ハンター症候群)の患者治療により一層貢献していく。

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