Eplontersen ATTRv-PNのP3試験で66週間にわたり持続的ベネフィット アストラゼネカ

 アストラゼネカは4日、Eplontersenについて、遺伝型のトランスサイレチン型アミロイドポリニューロパチー(ATTRv-PN)を対象としたP3相 NEURO-TTRansform試験で同剤がが66週間にわたり複数の主要評価項目を達成し良好な結果が示されたと発表した。同結果は、2022年6月に発表した35週時点での良好な結果と一貫性を示していた。
 ATTRv-PNは、一般的に進行性の心不全に至り、疾患発症から3~5年以内に死亡する確率の高い全身性かつ進行性の致死的な疾患である。診断から5 年以内に運動障害を伴う末梢神経損傷を引き起こす衰弱の激しい疾患であり、治療が行われない場合、10年以内に致命的な転帰をたどることが多いと言われている。
 Eplontersenを投与した患者群では、66週時点で、神経障害性疾患の進行の尺度である修正ニューロパチー障害スコア(modified Neuropathy Impairment Score)+7(mNIS+7)およびNorfolkQOL 質問票 – 糖尿病性神経障害(Norfolk QOL-DN)という複数の主要評価項目に関して、外部プラセボ群と比較して統計学的に有意であり、臨床的に意義のあるベースラインからの変化が継続して認められた。
 同試験では、外部プラセボ群と比較して、統計学的に有意な血清トランスサイレチン(TTR)濃度の低下が示され、3 番目の主要評価項目も達成された。TTR の低下は、35週時点に報告されたデータと一致するものであった。
 また、eplontersenの安全性および忍容性プロファイルは継続しており、35週時点の内容と一致していた。
 現在、グローバル開発および販売契約の一環として、アストラゼネカおよび Ionis 社は、ATTRv-PNの治療薬としてeplontersenの販売承認申請を米国の規制当局に提出中で、欧州およびその他の地域では、規制当局への販売承認申請を計画中である。
 今月初め、米国食品医薬品局はATTRv-PN の治療薬としてeplontersenの新薬承認申請を受理した。Eplontersen は、米国において希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)指定を取得した。
 Eplontersenは現在、トランスサイレチン型心アミロイドーシス(ATTR-CM)を適応とするP3相CARDIO-TTRansform試験を実施中である。
 NEURO-TTRansform 試験の35週時点および66週時点の解析結果は、いずれも4月の米国神経学会の年次総会において、新興科学分野のプレゼンテーションとして発表する予定である。なお、Eplontersenは、本邦未承認。

◆Sami Khella ペンシルバニア大学医学部の臨床神経学教授、ペンプレスビテリアンメディカルセンター神経科主任のコメント
 P3相 NEURO-TTRansform試験の66週間の解析によって得られた良好な結果から、eplontersenの投与によりトランスサイレチンが一貫して持続的に減少したこと、ならびにニューロパチーの進行および生活の質のいずれの指標においても多くの患者で改善が認められたことが明らかになった。
 この結果は、十分な治療を受けられていないこの患者集団の転帰を有意に改善するeplontersenの可能性を最初に示した35週間の好ましい結果をさらに強化するものである。

◆Mene Pangalosアストラゼネカのバイオファーマ研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントのコメント
 これらの結果は、ポリニューロパチーや心不全を生じうる心筋症など、トランスサイレチン型アミロイドーシスのあらゆる病態において、eplontersenがベストインクラスの治療薬となる可能性をさらに明確に示している。
 現在、利用可能な治療選択肢は限られているため、全身性かつ進行性の、致死的なこの疾患のさまざまな病態において、新たな治療法や早期かつ正確な診断に対する差し迫ったアンメット・メディカル・ニーズが存在している。

◆Eugene Schneider Ionis社エグゼクティブバイスプレジデント兼最高臨床開発責任者のコメント
 NEUROTTRansform試験で得られたこれらの最新の結果は、この衰弱の激しい致死的な疾患を抱えて生活するATTRv-PN患者さんに新たな治療法を届けるための重要な一歩となる。
 私たちは、ATTRv-PNに罹患した患者さんとその家族にとって eplontersenが示した持続的なベネフィットと自己投与による治療がもたらす意味合いに勇気づけられている。パートナーであるアストラゼネカと共に、この試験から得られた結果の詳細を、次回の米国神経学会(American Academy of Neurology)の年次総会で発表できることを楽しみにしている。

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