ファンペップは16日、大阪大学大学院医学系研究科との共同研究の成果である抗体誘導ペプチド「FPP005」の共有特許について、大阪大学との間でその特許権の効力に基づき、同社による全世界での独占的な研究開発、製造及び販売、並びに第三者への実施許諾(再実施許諾権付)を可能とするライセンス契約を締結したと発表した。
抗体誘導ペプチドは、患者の体内で抗体産生を誘導することにより治療効果を期待するペプチド治療ワクチンである。
バイオ製造施設で製造する抗体医薬品とは異なり、抗体誘導ペプチドは化学合成での製造が可能なため製造コストを抑制できる。
さらに、投与後は、患者の体内で免疫細胞が一定期間持続的に抗体を産生するため、薬剤投与間隔も長いことが期待される。
この特徴により、ファンペップは、高額な抗体医薬品に対して医療費を抑制できる代替医薬品として抗体誘導ペプチドを開発し、先進国で深刻化する医療財政問題の解決や患者様の負担軽減に貢献していきたの考えを示している。
ファンペップは、抗体誘導ペプチドの創薬プラットフォーム技術を保有していることを強みとし、大阪大学大学院医学系研究科との共同研究によって抗体誘導ペプチドの創薬研究を行っている。
FPP005は、標的タンパク質 IL-23(Interleukin-23)に対する抗体誘導ペプチドの開発化合物である。IL-23 は、様々な炎症性疾患の病態に重要な役割を担っている。先行する抗IL-23抗体医薬品は、尋常性乾癬、関節症性乾癬、クローン病及び潰瘍性大腸炎等の幅広い疾患を対象に開発が進んでおり、既に世界市場は数千億円規模まで拡大している。
ファンペップは、2023 年内の臨床試験開始を目指して前臨床試験を進めるとともに、製薬会社への導出活動を行っている。同契約締結に伴い、ファンペップは、大阪大学に契約一時金を支払う予定である。さらに、同社が製薬会社へ導出した後には、導出先から受取る予定の一時金、マイルストーン収入及びロイヤリティー収入の一部を支払う予定である。
なお、同件による2023 年12月期の同社グループの研究開発費の見込額に変更はない。