三菱ケミカルグループは16日、本年2月7日に公表した2022年度業績予想を上方修正すると発表した。
上方修正は、同社連結子会社田辺三菱製薬(代表取締役:上野裕明氏)のジレニア(多発性硬化症治療薬)に関するノバルティス社のロイヤリティ支払いに関する仲裁手続きについて、13日に仲裁廷より「支払い義務は全て有効」との仲裁判断を受領したことによるもの。2022年度決算に1260億円を一括して売上収益に計上する。新たな修正予想は次の通り(カッコ内は前回発表との増減額)。
売上収益4兆6400億円(1260億円増)、コア営業利益3260億円(1260億円増)、営業利益2000億円(1290億円増)、当期利益1550億円(900億円増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1180億円(900億円増)、基本的1株当り当期利益83.00円(19.69円)。
ノバルティス社は、「ライセンス契約のロイヤリティ支払い義務を定める規定の一部は無効であるためロイヤリティ支払い義務がない」と主張していたが、仲裁廷より「当該規定は全部有効である」との判断が 本年2月13日になされた。
これに伴い仲裁手続き中にIFRS第15号に従い売上収益として認識していなかったロイヤリティについて、2023年3月期第4四半期で一括して売上収益として認識することになった。また、あわせて当該仲裁手続に対して田辺三菱製薬で要した費用の一部についてもノバルティス社が負担することになり、2022年度業績において売上収益約 1260 億円、その他営業収益約 30億円を計上する見込みとなった。