武田薬品は10日、2021年に厚生労働省と締結した新型コロナワクチン「ヌバキソビッド」の1億5000万回接種分の購入契約のうち、既に同社から納入済みのものを除く残余数量の購入予定が取り消しになったと発表した。1億4176万回接種分の政府購入予定がキャンセルとなる。
ヌバキソビッドは、厚労省からの発注に応じて生産しているため、今回の購入予定取り消しに伴う製造済み製品の廃棄は生じない。同社から既に納入済みのヌバキソビッドについては、これまで同様、オミクロン株対応2価mRNAワクチンを何らかの理由で接種できない人や組換えタンパクワクチンであるヌバキソビッドの接種を望まれる人のための選択肢として、引き続き使用可能である。
武田薬品は、ノババックス社と協力しオミクロン株を含む変異株に対応したワクチンの開発を進めている。日本の公衆衛生に貢献すべく、同社は引き続き2023年度の新型コロナワクチンの供給について、オミクロン変異株対応ワクチン供給の可能性も含め、厚生労働省と必要な協議を行っていく。
なお、今回の購入予定取り消しによる同社の連結業績に対する影響は軽微で、2022年度の連結業績予想に修正はない。武田薬品は契約書の規定に基づき、契約額の一部を収益認識するが、「スパイクバックス筋注」を含む新型コロナウイルス感染症ワクチン全体の2022年度の売上収益見込み約500億円に変更はない。