1月23日は「一無、二少、三多の日」、2月は「全国生活習慣病予防月間」 日本生活習慣病予防協会

 日本生活習慣病予防協会は、1月23日を「一無、二少、三多の日」とし、続く2月を「全国生活習慣病予防月間」と定め、生活習慣病予防啓発のために集中的に情報発信を行っている。
 「一無、二少、三多」は、生活習慣病の発症や病状の悪化に関与する喫煙、多量飲酒、過食、運動不足、休養・睡眠不足、孤独感などの不健康な生活習慣を避けるために、日常心がけたい生活習慣(「一無:無煙・禁煙」、「二少(少食、少酒)」、「三多(多動、多休、多接)」を分かり易く表現した健康標語だ。
 全国生活習慣病予防月間では、「一無、二少、三多」の6つの健康標語をひとつずつ強化テーマとして、スローガン川柳の公募、優秀作を用いたポスターやリーフレットを公開するとともに、市民公開講演会を開催している。
  本年で13回目となる全国生活習慣病予防月間2023のテーマは「一無(無煙・禁煙)」。「全国生活習慣病予防月間2023」サイトでは、スローガン川柳受賞作、「一無、二少、三多」や「一無(無煙・禁煙)」のポスターやリーフレットを公開している。
 市民公開講演会(Web講演会)は、「たばこは万病のもと!あなたと地球の健康のために禁煙を」をテーマに、2月1日より公開する。講演会プログラムは、次の通り。

◆講演1「たばこに関する新たな問題~環境破壊と新型たばこ~」=村松弘康氏(中央内科クリニック 院長、東京都医師会たばこ対策委員会アドバイザー)
 加熱式たばこは一般的に「害の少ないたばこ」だと思われ、「有害成分の含有量は従来型たばこの10%程度」というデータが公表されている。ただ、それは「100階から落ちるか10階から落ちるかの違い」。
 さらに、最近のトピックは「SDGs」。たばこの生産は貧困国を中心に行われており、収穫にあたる子どもたちが、経皮吸収によるニコチン中毒で死亡することもあるという衝撃的な実態が紹介される。

◆講演2「高血圧と喫煙をめぐって」=齊藤郁夫氏(慶応義塾大学 名誉教授)

 4300万人の日本人が患っているとされる高血圧。様々な疫学研究によって、高血圧とともに「喫煙」が、心血管疾患の重大なリスクファクターであることが明らかになり、禁煙(受動喫煙も含む)は、減塩などとともに修正可能なリスク因子となっている。
 最近のトピックは、昨年、高血圧治療補助アプリが保険適用されたこと。そのアプリの効果も含めて、高血圧の最新治療と「一無、二少、三多」の関連も語られる。

◆講演3「たばこと歯周病」=小林隆太郎氏(日本歯科大学 東京短期大学 学長、日本歯科大学 口腔外科 教授)
 「歯のために歯磨きをする」と言っていたのは昔で、今では「命を守るために歯を磨く必要がある」とされるほど、歯周病がさまざまな疾患のリスクを押し上げていることを解説。
 さらに、喫煙者は歯周病罹患率が高くて進行も速い、つまり、口の中の老化が進んでしまっており、その影響はインプラント治療後にも及ぶ。たばこは直接的に体を蝕み、かつ、歯周病を介して全身に悪影響を及ぼしている。

◆講演4「新たな禁煙治療法~オンライン診療と禁煙アプリ~」=村松弘康氏(中央内科クリニック 院長、東京都医師会たばこ対策委員会アドバイザー)

 禁煙治療においては、ニコチン依存状態への治療と、精神的な依存状態への治療を並行して進めるのが成功のポイント。そこに最近登場したのが禁煙アプリ。講演ではそのアプリの有効性などのデータが示される。
 さらに、現在なお終息の気配が見えないCOVID-19と喫煙について解説。たばこはCOVID-19感染リスクと重症化リスクを高めるだけでなく、long COVIDと呼ばれる後遺症のリスクを高めることも明らかになったことが示される。

 生活習慣病は長い時間をかけて進み、病気として自覚しにくいという問題がある。それを防ぐには、日頃の体調、身体の些細な変化など、つねに自分自身の健康に目を向ける必要がある。加えて、中高年になってからではなく、若い頃から、適正な生活習慣を獲得し、維持することが重要である。
 こうした中、「一無、二少、三多」は、池田義雄同協会名誉会長が1991年に提唱し、同協会が普及啓発に努めている。一無、二少、三多とはの詳細は、https://seikatsusyukanbyo.com/main/yobou/02.phpで。

 ちなみに、日本生活習慣病予防協会の啓発資材は無料でダウンロードできる。印刷物やWebsiteでの掲載、掲示、配布などの希望者は事務局まで。一無、二少、三多のポスターなど、啓発資材のダウンロードは、https://seikatsusyukanbyo.com/monthly/poster.php
 スローガン川柳優秀作は、本年も多くのメディアに取り上げられた。応募数は4年連続で2000通を超え、本年度は過去最多の約2300通、約8000作品となった。


 

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