小野薬品、塩野義製薬、田辺三菱製は16日、エス・ディ・コラボと本年1月より国内物流における医療用医薬品の品質担保の向上および流通過程の完全性に向けて共同で輸送する取り組みを開始したと発表した。
この取り組みは、医薬品の適正流通(GDP:Good Distribution Practice)ガイドラインに準拠した共同輸送としては製薬業界では初めて。
医薬品物流を取り巻く環境は、2018年12月に発出されたGDPガイドラインにより、輸送・保管過程においてより厳格な品質の担保および流通過程の完全性が求められている。
また、ドライバーの不足・高齢化に加えて、働き方改革関連法の物流業界(自動車運転の業務等、一部の事業・業務)への猶予期間が2024年3月末をもって解消されることや、燃料費の高騰など安定した医薬品物流の維持に大きな課題が見えている。
さらには、地球温暖化対策としてCO2排出削減が社会的な課題となっている。
これらの課題を解決していくために、4社が共同で策定したGDP管理基準に基づき、各製薬会社の物流センターから医薬品卸に至る輸送ルートにおいて、次のように効率的な共同輸送に取り組んでいく。
1、全ての温度帯で温度管理をした輸送を行い、品質担保の向上を図る。
2、輸送の積載効率を上げ、運行台数を削減することにより、ドライバー不足を軽減して安定供給を図る。
3、また、運行台数の削減によりCO2排出削減を目指す。
4社は、これら医薬品物流の新たな取り組みを共同で行うことで、医療用医薬品の安定供給と品質担保の向上を継続的に推進していく。
共同輸送のスキーム