エーザイは11日、同社とバイオジェンが共同開発した「レカネマブ」について、早期アルツハイマー病(AD)治療薬として欧州医薬品庁(EMA)に販売承認申請(MAA)したと発表した。適応症は、ADによる軽度認知障害(MCI)および軽度認知症。
同申請は、レカネマブ投与による早期ADの臨床症状の悪化抑制を実証したP3試験(Clarity AD試験)、P2b試験(201試験)などに基づくもので、今後EMAにより承認審査に向けた申請受理の可否に関するバリデーションが行われる。
Clarity AD試験では、主要評価項目(CDR-SB1:Clinical Dementia Rating Sum of Boxes)ならびに全ての重要な副次評価項目を統計学的に高度に有意な結果をもって達成した。
安全性評価として、レカネマブ投与群で最も多かった有害事象(10%以上)は、Infusion reaction、ARIA-H(ARIAによる脳微小出血、脳出血、脳表ヘモジデリン沈着)、ARIA-E(浮腫/浸出)、頭痛および転倒であった。
Clarity AD試験の結果については、2022年11月に第15回アルツハイマー病臨床試験会議(CTAD)で発表し、同時に査読学術専門誌the New England Journal of Medicineにも掲載された。
米国において、レカネマブは、2023年1月6日に米国FDAよりAD治療薬として迅速承認を取得し、同日、フル承認への変更に向けた生物製剤承認一部変更申請(supplemental Biologics License Application:sBLA)を提出した。
中国においては、2022年12月に中国の国家薬品監督管理局(NMPA)にBLAのデータ提出を開始した。日本でも、2022年度中に承認申請を行う予定である。
レカネマブについて、エーザイは、開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行う。