ENHERTU 欧州でHER2陽性胃がん二次治療の適応追加取得 第一三共

 第一三共は19日、ENHERTU(トラスツズマブ デルクステカン)について、欧州においてHER2陽性胃がん二次治療を対象とした適応拡大承認を取得したと発表した。
 対象は、トラスツズマブを含む前治療を受けたHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発胃がん。同適応は、HER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がん患者への二次治療を対象としたP2試験(DESTINY-Gastric02、欧米で実施)と、三次治療を対象としたP2試験(DESTINY-Gastric01、日本及び韓国で実施)の結果に基づき、欧州委員会(EC)より承認されたもの。
 ENHERTUは、欧州において、胃がんを対象に承認された初めてのADCであり、ECより承認を受けた適応がん種は、乳がんに続いて2 つ目となる。
 同承認により、第一三共はアストラゼネカより開発マイルストンとして3500万米ドルを受領する。
 胃がんは世界で5番目に多いがんで、がんによる死亡原因の第4位と言われている。2020年には、全世界で約100万人の新規患者が報告されており、約77万人が亡くなっている。
 欧州では、年間約14万人が胃がんと診断され、がんによる死亡原因の第6位とされている。胃がん患者の大半は進行期で診断され、5年生存率は5~10%との報告がある。
 HER2は、胃がん、乳がん、肺がんや大腸がんを含む多くのがん細胞表面に発現するタンパク質で、胃がん患者の約5人に1人がHER2陽性である。ENHERTUが承認されるまでは、欧州において、トラスツズマブを含む前治療を受けたHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発胃がんを対象に承認された抗HER2療法はなかった。

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