アストラゼネカは14日、Smart119(本社:千葉県)が提供する救急医療情報システム「Smart119」活用において業務提携したと発表した。
アストラゼネカでは、直接作用型第Xa因子阻害剤(アビキサバン、リバーロキサバン、エドキサバン)の服用患者が、生命を脅かす出血を起こした際の救急救命時における迅速な服用薬剤の特定を目指している。
直接作用型第Xa因子阻害剤を含む抗凝固薬は、非弁膜症性心房細動患者の脳梗塞予防や静脈血栓塞栓症の治療・再発予防を目的として広く使用されている。その一方で、服用中は、通常より出血が起こりやすい状態となるため、事故や転倒などのきっかけで、大出血に繋がるリスクが高くなる。
抗凝固薬服用中の患者において大出血が発現した際には、抗凝固薬の中和剤を止血処置の一環として投与することで、出血の増大を抑えられる可能性がある。中和剤を適切に使用するためには、患者の服薬情報の把握が必要となるがが、現状、救急隊の病院到着時に約30%の患者で、服用薬剤が特定できないという報告がある。
この現状を改善するひとつの策として、予め患者さんの服薬情報をデータベースに集約し、出血発現時に救急隊がSmart119を通じこれらの情報を把握、搬送先医療機関に迅速に情報共有できる仕組みを構築する。
今回、「i2.JP(アイツー・ドット・ジェイピー;Innovation Infusion Japan)」というオープンなコミュニティにおいて、Smart119が運用する救急医療情報システム「Smart119」を活用するというアイデアが生まれた。「患者中心」の実現に向けて、医療・ヘルスケア業界はどうあるべきか、この難題の解決策を探るべく発足したのがi2.JPである。
アストラゼネカは、「患者中心」の実現を目指す中で、抗凝固薬服用患者さんに対して、有事の際に一刻も早く適切な処置を届けることができるようSmart119と協力しながら取り組んでいく。