2型糖尿病治療剤「ツイミーグ」(イメグリミン)の製造販売承認取得  大日本住友製薬

 大日本住友製薬は23日、2型糖尿病治療剤「ツイミーグ錠 500mg」(一般名:イメグリミン塩酸塩)について、同日付けで、2 型糖尿病を適応症として国内での製造販売承認を取得したと発表した。同剤の承認は日本が世界で初めて。薬価収載後に発売する予定だ。
 同社は、日本においてPoxel社と共同で 1100例を超える2型糖尿病患者を対象とした 3 本のP 3試験(TIMES1、TIMES2、TIMES3)を実施し、それらの良好な試験結果等を基に、2020 年 7 月 30 日に同剤の日本における製造販売承認申請を行った。
 同剤は、既存の経口血糖降下剤とは異なる構造と、2つの血糖降下作用をもつ、新しいクラスの経口血糖降下剤である。作用メカニズムは、ミトコンドリアへの作用を介して、グルコース濃度依存的なインスリン分泌を促す膵作用と、肝臓・骨格筋での糖代謝を改善する膵外作用(糖新生抑制・糖取込み能改善)により血糖降下作用を示すと考えられている。
 これまでのP2試験およびP3試験で得られた良好な有効性および安全性に関するデータに基づき、2型糖尿病治療における単剤および併用による血糖降下療法において、幅広く使用される治療薬となる可能性がある。
 大日本住友製薬は、作用機序の異なる複数の2型糖尿病治療剤を販売している。今回の承認取得により、新たな治療選択肢を提供することで、国内の2型糖尿病治療への一層の貢献が期待される。

 大日本住友製薬とPoxel社の両社は、2017年10月に、日本、中国、韓国、台湾およびその他の東南アジア 9 カ国におけるツイミーグの開発および製品化に関し、戦略的パートナーシップを締結している。
 今回の承認により、大日本住友製薬は Poxel社に17.5 億円(約 1,330 万ユーロ、1,590 万ドル)のマイルストーンを支払う。また、上市後は、Poxel社に販売額に応じて割合が増加する2桁台の料率のロイヤリティおよび販売額の目標達成に応じた販売マイルストーンとして合計で最大265億円 5(約 2 億ユーロ、2.3 億ドル)6 が支払われる可能性がある。

◆大日本住友製薬執行役員開発本部担当 上月孝一氏のコメント
 独自の二つの作用機序と良好な安全性および忍容性プロファイルを有するツイミーグは、当社の糖尿病治療薬のラインアップに加わる重要な薬剤だと考えている。P2相およびP3相臨床試験の結果により、ツイミーグは単剤療法または既存薬との併用療法として使用でき、既存の糖尿病治療を補完することが示されている。
 今回の承認により、2型糖尿病患者さんに対して、より柔軟な治療を受けられる機会を提供できる。糖尿病管理の新たな治療選択肢を患者さんにお届けできるようになることを嬉しく思う。

◆Poxel社CEOのThomas Kuhn氏のコメント
 ツイミーグの日本での承認は、Poxel 社にとって大きなマイルストーンであり、数年間にわたり行ってきた臨床開発活動の集大成でもある。また、当社の研究開発能力やこれまで確立してきた国際的なプレゼンスを裏付けるものである。
 当社のビジョンは、代謝性疾患の画期的な治療薬を開発し、製品化することに焦点を当てている。今後、当社は、大日本住友製薬が日本やその他同社が権利を有する国において、ツイミーグを2型糖尿病の主要な治療として確立できるようサポートし続ける。
 同時に、当社は NASH(非アルコール性脂肪肝炎)を対象とするファーストインクラス治療薬である PXL770およびPXL065の開発、そして希少性代謝疾患を対象とするAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)アクチベーターおよび重水素化チアゾリジンプラットフォームの初期段階の開発を進めていく。

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