塩野義製薬は13日、11月22日に新型コロナ経口治療薬として緊急承認された「ゾコーバ」について、厚生労働省との間で新たな購入契約を12日付で締結したと発表した。
今回の契約は、日本国政府が100万人分のゾコーバを追加購入するもの。本年3月に厚生労働省との間で締結した本治療薬の国内供給に関する基本合意書に基づき、国内を中心に感染患者に本治療薬を広く提供できるよう、政府が承認後速やかに100万人分を購入するとともに、それ以降についても一定数量を確保する方向で協議が行われてきた。
昨日改正された厚生労働省の事務連絡に記載の通り、従前の登録可能施設に加え、12月15日より都道府県が選定した医療機関・薬局においてもゾコーバの取り扱いが可能となることを受け、同契約の締結に至った。
なお、本件は2023年3月期の連結業績予想に織り込み済みのため、現時点でその影響は軽微である。今後、状況に応じて精査する。
ゾコーバは、3CLプロテアーゼを選択的に阻害することで、SARS-CoV-2の増殖を抑制することができる1日1回、5日間投与の経口抗ウイルス薬である。塩野義製薬は、新型コロナ感染患者に対する新たな治療選択肢として期待される同治療薬を、必要とする人々へ安定供給できるよう年内に追加数量分を納品する予定である。
ゾコーバのさらなる安定供給に向けて、政府より受託する流通業務に関して引き続き協力機関との連携を推進するとともに、一般流通への移行について厚生労働省との相談を進めていく。
また、緊急承認医薬品として安全性情報の迅速かつ確実な収集と、医療機関に対するタイムリーな提供に取り組む。
一方、海外での実用化に向けた提携先との緊密な連携、ならびに生産を含むグローバルサプライチェーンの強化を図り、今後も状況に変化があり次第、告知する。