HGF 遺伝子治療用製品「コラテジェン」 提携先のKamada社がイスラエルで製造販売承認申請 アンジェス

 アンジェスは9日、慢性動脈閉塞症潰瘍治療薬であるHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン」について、提携先のKamada 社がイスラエル保健省に製造販売承認申請を提出し、受理されたと発表した。
 今回の申請は、2019年2月に同社とKamada社がイスラエルにおける独占販売権許諾に関する基本合意書を締結していたことによるもの。当該申請の受理において、Kamada社よりアンジェスへの一時金等の支払いはない。
 イスラエルにおけ製造販売承認申請は、新型コロナ感染症の影響により当初の予定から大きく遅延した。それに伴い、イスラエルにおける薬事承認及び保険償還等の時期について現時点では未定である。
 一方、アンジェスはKamada 社との合意のもと、イスラエルにおいて NPPを活用して承認取得前に患者への提供を開始するための準備を進めている。同件が、アンジェスの2022年12月期の連結業績に与える影響は軽微で、同申請に関する進捗並びに連結業績への影響等、開示すべき事象が発生した場合には速やかに開示する。
 コラテジェンは、アンジェスが設立以来手がけてきた主力のプロジェクトで、日本において2019年3月26日に慢性動脈閉塞症の潰瘍の改善を効能、効果又は性能として条件及び期限付製造販売承認を取得した国内で初めての遺伝子治療用製品である。
 最も再生能力の高い臓器である肝臓から発見された肝細胞増殖因子(Hepatocyte Growth Factor:HGF)を発現するプラスミドDNAで、虚血部位への投与によりHGFを産生・分泌し、虚血部位の血管数と局所血流量を増加させ、虚血状態を改善させる。
 HGFは、肝臓のみならず、血管、リンパ管、神経など生体の様々な臓器・組織の形成・再生において主要な役割を果たしている。HGF に「血管を新生する」能力があることに着目し、血管が詰まり血流が悪くなっている虚血性疾患に対し「血管を新生する」というこれまでにない作用を有する治療薬としてアンジェスが開発を進め、製品化に至った。
 Kamada社は、特殊な血漿由来治療薬に焦点を当てた垂直統合型のグローバルバイオ医薬品企業で、多様な製品ポートフォリオ、強固な開発パイプライン、業界をリードする製造能力を有している。
 Kamada社の戦略は、現在の商業活動と血漿由来バイオ医薬品市場における製造及び開発の専門知識による高い収益性と成長の両立に重点を置いており、米国外の市場で登録されている4つの血漿由来製品を保有。米国、カナダ、イスラエル、ロシア、ブラジル、アルゼンチン、インド、その他のラテンアメリカ及びアジアの国々を含む30カ国以上で、戦略的パートナー又は代理店を通じて製品を販売している。


   

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