米国Equillium社と抗CD6抗体の独占的オプション権付アセット買収契約締結 小野薬品

 小野薬品は6日、米国Equillium社とEquillium社が保有するファーストインクラスの抗CD6抗体「itolizumab」について、開発・商業化に関する独占的オプション権付アセット買収契約を締結したと発表した。
 itolizumabは、CD6-ALCAM経路を選択的に標的とするファーストインクラスの抗CD6モノクローナル抗体である。この経路は、多くの自己免疫・炎症性疾患を引き起こすT細胞の活性化と遊走の調節に中心的な役割を果たしており、海外において急性移植片対宿主病を対象にP3試験およびループス腎炎を対象にP1b試験が進められている。
 同契約締結に伴い、小野薬品は契約一時金として35億円、オプション権行使料および開発マイルストンとして最大約180億円をEquillium社に支払う。オプション期間中はEquillium社がitolizumabに関する全ての研究開発を実施し、小野薬品はその費用を負担する。
 オプション権の行使後、小野薬品は米国、カナダ、オーストラリアおよびニュージーランドにおいて、適応症にかかわらずitolizumabを商業化できる権利を取得する。
 なお、同件による小野薬品の2023年3月期連結業績への影響は軽微であるが、今後、公表すべき事項が生じた場合には、速やかに開示する。

◆相良暁小野薬品代表取締役社長のコメント
 今回のEquillium社との提携は、免疫領域における当社の研究開発および革新的な治療薬を創出する取り組みを強化するものである。治療困難な免疫・炎症性疾患治療薬の開発に向けて、Equillium社と提携できることを大変うれしく思う。
 itolizumabは、当社の米国展開を推進する重要な化合物として、グローバルスペシャリティファーマへの道を切り開くものと期待している。

◆Bruce D. Steel Equillium社最高経営責任者のコメント
 病気と苦痛に対する闘いに挑み日本の医薬品開発をリードする小野薬品とitolizumabのパートナーになることを非常に喜ばしく思う。この戦略的提携は、itolizumabが医療ニーズの高い自己免疫疾患および免疫・炎症性疾患の患者さんにとって新たな治療選択肢となる可能性を改めて示すものである。
 本提携を通じて、我々は、重篤かつ致死的な疾患である急性移植片対宿主病を対象としたP3相EQUATOR試験およびループス腎炎を対象とした進行中のP1b相EQUALISE試験を遂行するリソースが確保できた。
 現在の事業計画では、2025年までの資金を十分に確保しており、我々独自の開発パイプラインであるマルチサイトカイン阻害剤についても、円形脱毛症を対象としたEQ101のP2試験、およびセリアック病を対象としたEQ102のP1試験を進めていくことができる。

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