薬学生は、5回生の時に薬局で11週間の実習を受けた後、続けて病院でも11週間の実習をします。1年間を4期に分け、薬局では1~3期に、病院では2~4期に実習をしています。堺市薬剤師会では、薬局の実習を終了した時に、まとめ発表会を開催しています。
このまとめ発表会は、薬学部が6年制になった当初から開催しており、毎回大学の先生、行政の関係者、指導薬剤師をお招きして実習の成果を共有しています。
当初は、口頭発表の形式を採用していましたが、質問等が出にくく、今年度からはポスター発表を採用し、質問や意見交換も活発にできるようになりました。
実習生は、それぞれの薬局で学んだことをまとめ、ポスターの制作をします。ポスターの演題は自由で、例えば「学校薬剤師」「抗がん剤の処方」「健康サポート薬局」「在宅医療」「かかりつけ薬局」「疑義照会」「症例検討」など薬局実習を通して特に勉強になったところについてまとめられていて、それぞれの薬局実習の特色がよく出てたいへん興味深い内容となっています。
日本薬剤師会の全国学術大会はじめ大きな学会では、ポスター発表を多くしており、これから薬剤師になる実習生にも、薬局実習が終わる一つの節目でこの経験をしていただこうというのが目的です。
ポスター制作者は、ギャラリーから質問を受け、その都度的確にこたえる必要があり、質疑応答能力の試される場面ともなります。
制作したポスターの内容をより深く理解しておかなければなりませんし、その場で答えられなかったことは課題として改めて勉強をしていただければと考えます。
また、最近は、実習生を受け入れていない一般の薬剤師会の先生方にも案内を出し、まとめ発表会を見に来ていただいています。ご出席くださった先生からは、ポスターの内容が様々で興味深いとの感想をお伺いしております。
我々関係者も大学の先生方と話す機会が増え、意見交換や近況報告など情報を共有することができています。
まとめ発表への参加が学生だけでなく指導者にもいい刺激になり、今後のよい実習につながればと考えています。多くの先生方の参加をお願いし、実務実習のグループ協議会でもその内容について、しっかり伝達していきたいと思います。
薬剤師 宮奥善恵