花王とデング熱感染症対策支援強化の覚書締結 武田薬品

左から在タイ日本国大使 梨田和也氏、タイ武田ジェネラルマネジャー Peter Streibl、
花王インダストリアル(タイラインド)社長 清水祐二、バンコク都知事 Chadchart Sittipunt氏

 武田薬品は28日、花王子会社の花王インダストリアル(タイランド)と同社タイ武田が、同日、タイ王国で最も深刻な社会問題であるデング熱感染症について、「タイ・デング熱感染症予防および対策に関する覚書」を締結したと発表した。
 これは、両社が民間企業として初めてタイの機関とも連携し、かつ長期的に実施する協力体制となる。今回の覚書締結により、より広いコミュニティの活用が可能となり、両社は支援をさらに進めていく。
 この協力体制により、バンコク都全50地区をカバーすることができるようになるが、両社はさらにサポートする地域の全国拡大を目指す。
 覚書締結のために実施された調印式には、梨田和也在タイ日本国大使とChadchart Sittipuntバンコク都知事が出席した。調印式での各氏のコメントは次の通り。

◆バンコク都知事のChadchart Sittipunt氏
 2022年の9ヵ月間だけでもバンコク都におけるデング熱感染症患者数として、3000名以上が確認されており、不幸なことに亡くなられた方もいる。バンコク都は、高層ビル、マンション、公園など多様な場所があり、さらに高い人口密度により、タイで最もデング熱感染者が多い地域の一つとなっている。
 両社との連携による啓発活動や、バンコク都全地域における効果的なキャンペーン展開に期待している。蚊を媒介するこの疾患は、住民、健康ボランティア、医療従事者、そして経済ならびに関係するすべての人々の幸福に影響を及ぼしている。これは喫緊の問題であり、私たちは、可能な限り多くのサポートを必要としている。

◆清水祐二花王インダストリアル(タイラインド)社長
 デング熱感染症は蚊が媒介する感染症で、タイや東南アジア諸国では、長年にわたって大きな社会問題となっている。 花王は、デング熱感染症に関する啓発活動を含む、未来のいのちを蚊から守るための『GUARD OUR FUTURE』プロジェクトを昨年より正式に開始した。
 花王インダストリアル(タイランド)とタイ武田は、バンコク都庁の強力な支援を受けて学校でデング熱感染症の教育活動を展開するなど、共同の取り組み活動を緊密に進めてきた。 我々は、子どもたちの未来をデング熱感染症の脅威から守るという共通の目的と目標を持って協力を続けていく。
 タイの人々のために、企業、官民、国の枠を超えてチームとして協力できることを本当に嬉しく誇りに思う。

◆Peter Streiblタイ武田のジェネラルマネジャー
 デング熱感染症は、軽度から重篤な状態までさまざまな症状があるが、時に重症化し、生命を脅かす場合もある。デング熱感染症は、人々やそのご家族、また医療制度にも多大な影響を与える感染症である。
 花王インダストリアル(タイランド)とのパートナーシップは、タイにおけるデング熱感染症の予防および管理によりよい影響を与えることが出来るものと考えている。今回の締結を通じ、デング熱感染症から数百万人の命を守るためにバンコク都やその他の地域において実施されている取り組みをサポートするものとなる。
 なお、花王インダストリアル(タイランド)とタイ武田は、本年8月、「デング熱感染症:生命を脅かす危機、そして誰もが直面する静かな脅威」をテーマに、バンコク都の各地でデング熱感染症リスクを啓発するイベントを実施した。
 6月15日のASEANデング熱感染症デーで全国的にデング熱感染症に対する認識が高まったことを受け、このイベントでは、「バンコク都衛生ボランティア」の人々に力を与え、デング熱感染症の啓発活動を行なうことを目的として、デング熱感染症の発生を抑制・予防するための包括的なアプローチを地域のボランティアに提供した。
 これは、今年初めに官民11のパートナーで結成された「デング熱感染症ゼロ協定」による戦略であり、花王インダストリアル(タイランド)はこの協定に則り、デング熱感染症予防のため、潜在患者の特定と対策への取り組みを支援していく。

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