世界初の持続性 GIP/GLP-1 受容体作動薬「マンジャロ」  2型糖尿病治療で国内製造販売承認取得 日本イーライリリー、田辺三菱製薬

 

 日本イーライリリーと田辺三菱製薬は、26日、持続性GIP/GLP-1受容体作動薬「マンジャロ」について、同日付けで厚労省より2型糖尿病治療薬として製造販売承認を取得したと発表した。
 マンジャロは、グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)とグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の二つの受容体に単一分子として作用する世界初の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬。同剤の構造は、天然GIPペプチド配列をベースとした単一分子だが、GLP-1受容体にも結合するように改変されており、選択的に長時間作用し、空腹時および食後の血糖値を改善する。同剤は、1回使い切りのオートインジェクター型注入器(アテオス)の週1回皮下注射によって投与される。
 今回のマンジャロの承認は、主に2つの国内P3相臨床試験(SURPASS J-monoi、SURPASS J-comboii)および2つの国際共同試験(SURPASS-1iii、SURPASS-5iv)の有効性および安全性の結果に基づくもの。
 国内単独療法試験(SURPASS J-monoi)では、主要評価項目であるHbA1cのベースラインから投与52週時までの平均変化量について、デュラグルチド0.75mgに対するチルゼパチド5 mg、10 mg、15 mgの優越性が検証された。
 また、国内併用療法試験(SURPASS J-comboii)では、チルゼパチド5mg、10 mg、15 mgを経口血糖降下薬単剤と併用した際の安全性の検討および有効性の検証がされた。
 マンジャロは、イーライリリー・アンド・カンパニーが米国において5月13日、世界初の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬として承認を取得し、6月7日より「Mounjaro」の製品名で販売を開始している。欧州においても9月15日に承認された。
 日本では、同承認取得に先立ち、7月に日本イーライリリーと田辺三菱製薬が国内におけるマンジャロの販売提携契約を締結した。田辺三菱製薬が流通・販売を行い、情報提供活動については、日本イーライリリーと田辺三菱製薬が共同で行う。

◆メアリー・トーマス日本イーライリリーの糖尿病・成長ホルモン事業本部長のコメント
 今回のマンジャロの承認取得により、日本の2型糖尿病とともに生きる人へ新しいクラスの治療選択肢をお届けできることを大変嬉しく思う。マンジャロが治療目標を達成する一助となっていくことを期待している。
 また、GIP および GLP-1研究の多くの進歩を先導してきた日本にとってとても喜ばしい。当社は、日本での画期的な研究成果に深謝するとともに、マンジャロを日本の糖尿病とともに生きる人へご紹介できることを大変光栄に思う。

◆小林義広田辺三菱製薬ファーマ戦略本部長のコメント
 マンジャロが日本で承認されたことを大変喜ばしく思う。2型糖尿病と向き合う日本の患者さんに新たな選択肢を提供することで、治療の幅を広げるとともに、アンメット・メディカル・ニーズの解決に貢献していく。

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