MSDは8日、新型コロナ経口治療薬「ラゲブリオ」について、16日より一般流通を開始すると発表した。
ラゲブリオは、新型コロナウイルス感染症に対する国内初の経口抗ウイルス剤として、2021年12月24日に特例承認を取得。以降、厚労省が同剤を所有したうえで、医療機関や薬局などに配分が行われてきた。
MSDでは、さらに迅速にラゲブリオを全国の患者に届けられるよう供給能力を増強し、16日より一般流通を開始する運びとなった。薬価基準には2022年8月18日に収載されている。 なお、厚労省所有のラゲブリオの今後の取扱いに関しては、同省から発出される事務連絡で閲覧できる。
新型コロナ感染症との闘いが続くなか、早期の検査、診断および投薬の重要性が叫ばれている。一般流通の開始により、医療機関や薬局は、他の薬価収載品と同様に卸売業者を通じてすみやかに同剤を購入することができ、医師が同剤の投与が必要と判断する患者に迅速に投与することが可能になる。
なお、同剤は、特例承認の新型コロナ治療薬であるため、厚労省所有品および一般流通品に関わらず処方に際しては、添付文書の「本剤は、本邦で特例承認されたものであり、承認時において有効性、安全性、品質に係る情報は限られており、引き続き情報を収集中である。そのため、本剤の使用に当たっては、あらかじめ患者又は代諾者に、その旨並びに有効性及び安全性に関する情報を十分に説明し、文書による同意を得てから投与すること」の記載に従い、担当医師から患者への説明と、患者または代諾者からの同意書の取得が必要となる。