界面活性剤を使わない美肌クレンジング技術開発  ロート製薬

 ロート製薬は25日、肌の健康に加えて、環境面へ配慮しサスティナブルな社会の実現を目指したスキンケア技術として、界面活性剤を使わないクレンジング剤の製剤技術開発に成功したと発表した。
 同技術は、一般的なクレンジング技術と同等のメイク落ちを実現すると共に、肌へのダメージを考慮しながら保湿効果を付与することが確認(特許出願済)されており、今後、クレンジング製品をはじめとするスキンケア製品などに応用していく。
 一般的なクレンジング技術で用いる一部の界面活性剤は、うるおいを奪い乾燥の原因になる可能性があることが知られている。また、クレンジング剤に配合されている一部の界面活性剤を洗い流せば、水環境に影響を与える可能性がある。
 そこで、環境を考慮すると同時に、肌に優しく保湿効果も高いクレンジング剤を日々使い続けることで、将来の肌の美しさにつながる製剤を開発したいというコンセプトの下、界面活性剤を用いないクレンジング剤の製剤技術開発が推進された。

(図1)美肌クレンジング技術とクレンジングのクレンジング力


 今回、数種の水溶性保湿剤と油溶性保湿剤のバランスの良い組み合わせにより、界面活性剤を使用せずに良好な製剤安定性とメイク落ちを実現できることを確認した(図1)。
 また、同技術は一般的なクレンジング技術に比べて使用後の肌水分量が有意に高くなるのも特徴だ(図2)

(図2)美肌クレンジング技術と一般的なクレンジング技術の保湿力


 さらに、ヒト表皮モデル細胞において、一般的な界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム )を投与した場合、細胞生存率は 50%未満と低い値を示す一方、同技術を投与した場合の細胞生存率はコントロールと比較してほぼ同等であったため(図3)、同技術は細胞へのダメージを考慮しながら、肌への保湿効果を付与できる技術であると確認された。

(図3)美肌クレンジング技術※1 の細胞生存率


 一般的なクレンジング技術は、クレンジング剤中のオイル成分がメイクとなじむと同時に界面活性剤がメイクを絡めとり、水で洗い流すことでメイクを落とすことが知られている。その際、一部の界面活性剤が肌に必要な皮脂も絡めとる可能性があり、クレンジングによる乾燥や肌荒れを引き起こす場合がある。
 一方、美肌クレンジング技術 は、美容オイル成分がメイクとなじんで浮かせ、水で洗い流してメイクを落とすと考えられる。肌のバリアは壊さず、なおかつ洗い流し後は美容液成分が肌を保湿するため、洗うたびにうるおう技術になっていると考えられる(図4)。

(図4)美肌クレンジング技術※1 と一般的なクレンジング技術のメイク落ちメカニズム イメージ図


 これらの研究成果により、一般的なクレンジング技術で用いる界面活性剤を用いることなく、従来品と同等以上のメイク落ち機能を持つと同時に、肌細胞へのダメージを考慮しながら、肌への保湿効果を付与する美肌クレンジング技術が開発された。
 ロート製薬では、今後も肌への優しさを考慮したスキンケア製品の開発を目指すとともに、サスティナブルな社会を実現するために環境へ配慮した観点からの研究開発を進めていく。

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