「日本橋ニューロダイバーシティプロジェクト」賛同企業・団体の募集開始 武田薬品

 武田薬品は30日、大人の発達障害について、10月10日の「世界メンタルヘルスデー」より「日本橋ニューロダイバーシティプロジェクト」を、同社グローバル本社のある東京日本橋地区を起点に発足すると発表した。
 同プロジェクトは、社会全体でのインクルージョン(多様な人々が互いに個性を認めあっている状態)を図ることを目的としたもの。9月1日より、同プロジェクトの趣旨に共感し、活動に賛同する企業・団体の募集を開始する。
 「ニューロダイバーシティ」は、多様性を認め、受け入れ、活かすことで、社会をよりよくする、「ダイバーシティ&インクルージョン」の中でも、その改善に向けた取り組みの遅れが指摘されている分野だ。武田薬品は、「ニューロダイバーシティ」推進のキープレーヤーとして、今後、社内で取り組みを推進するのみならず、様々なステークホルダーと連携しながら包括的な取り組みを積極的に展開し、多様性がもたらす豊かな社会の実現に貢献していく。
 同社は、発達障害へのインクルーシブな社会を目指して、発達障害そのものへの理解を高めるために大人の発達障害ナビを開設し、啓発活動を行っている。同プロジェクトでは、多くの企業が集う日本有数のオフィス街であり、発達障害へのインクルーシブな社会実現の土壌が整うエリアの一つである日本橋より、ニューロダイバーシティという概念を知って貰い、ニューロダイバーシティあふれる職場づくりを考えて貰う活動を行っていく。
 同プロジェクトは、古くは五街道の起点として、全国各地から多種多様な人材や知見が蓄積された日本橋の地から、ニューロダイバーシティが日本のスタンダードになることを目指すプロジェクトとして発足し、その活動の一環として今後、啓発冊子のデジタル配布や、特設ページの開設、共創ワークショップの実施などを展開していく予定だ。
 本プロジェクト発足に先立って、同プロジェクトへの「賛同企業・団体募集」を開始する。

 「日本橋ニューロダイバーシティプロジェクト」の概要

 海外でますます浸透が進むニューロダイバーシティであるが、その考え方は残念ながら日本では認知がほぼ進んでいない。そういった状況を鑑み、まずは、「障害ではなく多様性の一つとして捉えるニューロダイバーシティの概念の社会的な浸透を図り、当事者に対する受け入れ風土の醸成に繋げる」ことを目的として同プロジェクトの発足を起案した。
 同プロジェクトを通して意識の変化、そして行動の変化へと段階的にニューロダイバーシティの認知を拡大し、発達障害を含む脳や神経の違いを優劣ではなく多様性として尊重し合う社会をめざしていく。

・意識の変化:社会が、発達障害を多様性の一つとして捉え、個性を尊重すべきというニューロダイバーシティの考え方を理解している状態

・行動の変化:社会が、発達障害を多様性の一つとして捉え、当事者を受け入れている状態

 ニューロダイバーシティ(Neurodiversity、神経多様性)とは、Neuro(脳・神経)とDiversity(多様性)という2つの言葉が組み合わされて生まれた「脳や神経、それに由来する個人レベルでの様々な特性の違いを多様性と捉えて相互に尊重し、それらの違いを社会の中で活かしていこう」という考え方である。
 特に、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、学習障害といった発達障害において生じる現象を、能力の欠如や優劣ではなく、『人間のゲノムの自然で正常な変異』として捉える概念でもある。
 発達障害には、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習症(学習障害)(LD)、チック症、吃音などが含まれる。これらは、生まれつき脳の働き方に違いがあるという点が共通している。同じ障害名でも特性の現れ方が違ったり、いくつかの発達障害の特徴を併せ持ったりすることもある。
 特性により生活面や仕事面などに生きづらさを抱える人も多い一方で、彼らにある特性は何らかの特殊な能力と表裏一体である可能性が、最近の研究で示されている。
 また、発達障害より広い範囲の症状を捉えた神経発達障害※注と呼ばれる用語もある。発達の問題への悩みは、学校などの学びの場を超えて、社会生活などにおいても存在する。
 武田薬品は、「日本橋ニューロダイバーシティプロジェクト」を通して、意識の変化、そして行動の変化へと段階的にニューロダイバーシティの認知を拡大し、発達障害を含む脳や神経の違いを優劣ではなく多様性として尊重し合う社会をめざす。

タイトルとURLをコピーしました