リムパーザ 再発高リスク乳がんの術後薬物療法で適応拡大 アストラゼネカ

 アストラゼネカは25日、リムパーザについて、再発高リスクの乳癌における術後薬物療法の適応拡大承認を厚労省より取得したと発表した。適応症は、BRCA 遺伝子変異陽性かつ HER2 陰性で再発高リスクの乳癌における術後薬物療法。
 厚労省による今回の承認は、P3相OlympiA試験結果に基づくもの。同試験においてリムパーザは、プラセボと比較して主要評価項目である浸潤性疾患のない生存期間(iDFS)の統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示した。
 具体的には、浸潤性乳がんの再発、二次がん、または死亡リスクを 42%低下させました(ハザード比[HR]0.58;99.5%信頼区間[CI]0.41-0.82; p 値<0.0001)。
 また、副次評価項目においては、後に実施された2 回目の全生存期間(OS)中間解析において、プラセボと比較してOSの統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示し、死亡リスクを32%低下させた(ハザード比[HR]0.68; 98.5% 信頼区間[CI] 0.47-0.97; p 値=0.009)。
 同試験におけるリムパーザの安全性および忍容性プロファイルは、過去の臨床試験のプロファイルと一貫していた。
 乳がんは、世界中で最も多く診断されているがんであり、世界で2020年に診断された患者は推定230万人、2018年に日本で新たに乳がんと診断された患者さんの数は約9万4000人である。全乳がん患者の約90%が早期乳がんと診断される。また、HER2 陰性乳がん患者において、日本人を含むアジア人患者の約10%にBRCA 遺伝子変異が認められたとの報告がある。

 ◆大津智子アストラゼネカ執行役員研究開発本部長のコメント
 BRCA遺伝子変異を有する HER2 陰性の早期乳がん患者さんは再発リスクが高く、BRCA 遺伝子変異のある患者さんは変異のない患者さんよりも若年で発症することが多くなる。
 リムパーザは、再発リスクの高い早期乳がんの術後薬物療法として承認された初めての PARP 阻害剤であり、今回の承認でこのような疾患に対して新しい選択肢を提供できることを大変嬉しく思う。

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