設備の寿命予測学習データ蓄積目的のモニタリングシステムを無償公開 ロート製薬

 ロート製薬は22日、製造設備の保全に携わる人々を対象に、設備の異常兆候検出を安価かつ実用的に行うことができる設備モニタリングシステム「Rohto Open Monitoring System」を構築し、無償公開下と発表した。
 なお、同構想は、本年7月20日に、日本能率協会主催「メンテナンス・レジリエンス TOKYO2022」におけるメンテナンス特別講演会で発表している。
 システムは、約3000円/個の無線振動(加速度)センサを採用するなど安価な構成でありながら精度の高い設備の異常兆候を検出できるというもの。
 クラウドサービスAWS(Amazon Web Services)上にデータ管理システムを構築しているため、大量のセンサデータの可視化・管理が可能である。さらに、異常検出時のアラームメール発信機能、振動に加えて電流、温度、湿度、照度のモニタリングによるより精度の高い予知保全が実現できるなどの特長がある。
 これまで設備保全において、寿命予測のニーズが高い一方、学習データが少なく精度の高い予測を立てることが困難と言われていた。学習データが少ない理由は、主に、「常時監視が高額」、「異常発生確率が低い」、「基本的には他企業との異常データの共有がなされていない」などが挙げられる。
 同システムを一般公開することによって、各社は安価に設備モニタリングできるだけでなく、異常兆候を示すデータを複数の企業で蓄積し合うデータ保管・共有システムを構築することで、余寿命予測の実用化が期待できる。
 同社は、他社自社含む工場におけるデータを一体化させ共有し合うことで、製造業全体の発展に貢献していく考えを示している。同構想の趣旨に賛同する場合は、当該会社から問い合せし、両社協議の上、無償供与の手続きを進めていく予定だ。

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