リンヴォック 強直性脊椎炎で国内適応追加承認取得 アッヴィ合同会社

 アッヴィ合同会社は26日、「リンヴォック」について、既存治療で効果不十分な強直性脊椎炎に対する治療薬として適応追加承認を取得したと発表した。
 リンヴォックは、低分子のJAK阻害剤で、1日1回投与の経口剤。今回の承認により同剤は、日本において強直性脊椎炎に対する初めての JAK 阻害剤となり、関節リウマチ、関節症性乾癬(乾癬性関節炎)とアトピー性皮膚炎に続く4 番目の適応症を得たことになる。
 強直性脊椎炎は、頸部から腰背部や臀部、時に手足の関節の痛みやこわばりで始まり、一部の患者においてこれらの部位が固まって次第に動かなくなる全身性の慢性炎症性疾患で、国の難病に指定されている。
 症状が進行すれば関節破壊や強直をきたし、日常生活が困難となるため、患者のQOLに多大な影響を及ぼす可能性もある。
 好発年齢は10∼20代で、若年の男性で多く発症し、その多くは数十年という長い慢性の経過を辿る。原因は未だ明らかとなっていないが、遺伝的な要因が関与していると考えられている。有病率は、欧米人(0.9%)に比べて日本人(0.0065%)では低く、国内では稀な疾患と言われている。
 現在、強直性脊椎炎に対する薬物療法は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が第一選択薬であり、NSAIDsで効果不十分な場合に生物学的製剤 (bDMARD) による治療を考慮するとされている。
 だが、これまでTNF阻害薬や IL-17阻害薬以外に承認されたbDMARDはなく、新たな作用機序をもつ治療選択肢の拡大が期待されていた。
 今回の承認は、bDMARDの治療歴がなく、2種類以上のNSAIDsで効果不十分または NSAIDsが不耐容/禁忌であった活動性強直性脊椎炎の成人患者を対象とした日本を含む国際共同P2/3相試験(M16-098 試験)およびbDMARDによる治療で効果不十分な活動性強直性脊椎炎の成人患者を対象とした国際共同P3試験(M19-944 試験 Study 1)から得られたデータに基づいている。
 両試験においてリンヴォック(15mg、1日1回投与)は、プラセボと比較して、主要評価項目である14週時のASAS 40(国際脊椎関節炎評価会(ASAS))基準で40%の改善)を達成した。
 強直性脊椎炎を対象としたリンヴォックの安全性プロファイルは、これまでに様々な疾患領域で報告された試験結果と一貫しており、新たに検出された重要な安全性のリスクはなかった。

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