アイガー社と希少疾患治療薬ゾキンヴィの国内販売契約締結 アンジェス

 アンジェスは11日、ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(HGPS)およびプロジェロイド・ラミノパチー(PL)治療薬「ゾキンヴィ」について、アイガー社と日本における独占販売契約を10日に締結したと発表した。
 ゾキンヴィは、HGPSの死亡リスク低減、プロセシング不全性早老性PLの治療薬として、2020年11月に米国で承認された。
 同契約に基づきアンジェスは、日本におけるゾキンヴィの独占的販売会社となる。また、同社は日本における薬事承認の取得を担当するとともに、製品をアイガー社から購入する。アンジェスは、アイガー社に対して、契約一時金及び開発進捗に応じたマイルストーンの総額として最大150万米ドルを支払う。
  HGPSとPLは、それぞれが大変希少な致死性の遺伝的早老症で、若い患者の死亡率が加速度的に上昇する。患者数は、HGPSが世界で400 人、PLが200人と推定されている。HGPS は、LMNA 遺伝子の点突然変異により、ファルネシル化された異常タンパク質であるプロジェリンが生成されることで発症する。
 PLは、LMNAやZMPSTE24遺伝子の変異により、プロジェリンとは異なるファルネシル化タンパク質を生成し、老化を促進する遺伝的疾患だ。これらの遺伝子変異は、プロジェリンを生成しないものの、HGPSと同様の症状を持つ疾患を引き起こすが、HGPSとは区別される。
 ゾキンヴィによる治療を受けなければ、HGPSの子どもたちは平均14.5歳までに、何百万人もの成人がかかるのと同じ心臓病(動脈硬化症)で死亡するのが一般的だ。
 疾患の症状には、深刻な成長障害、強皮症に似た皮膚、全身性脂肪性筋萎縮症、脱毛症、関節拘縮、骨格形成不全、心血管系の衰えを伴う全身性動脈硬化の促進、衰弱性の脳卒中が含まれる。

◆山田英アンジェス代表取締役社長のコメント
 当社は、日本におけるゾキンヴィ販売についてアイガー社と提携出来たことを大変喜ばしく思う。
 日本においては有効な治療薬がないHGPS患者さん、PL患者さんに一日も早く本剤をお届けできるよう、速やかな薬事承認を目指す。薬事承認取得と並行して、昨年から新生児のオプショナルスクリーニング(希少遺伝性疾患検査事業)を開始したアンジェスクリニカルリサーチラボラトリー(ACRL)において、治療薬が存在する遺伝性疾患患者発見のための診断検査を拡充する一環として、プロジェリア症候群の検査を実施する準備を進めていく。

◆ディヴィッド・コリー アイガー社社長兼CEO のコメント
 HGPSやPLに苦しむ患者さんを支援するため、日本でゾキンヴィの承認と商業化を目指すアンジェス社とパートナーシップを締結した。この提携は、当社の革新的な治療法を十分に活用し、株主価値の向上と世界の恵まれない患者さんの支援につなげるというアイガーの戦略的アプローチを代表するものである。

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