直接作用型第 Xa 因子阻害剤中和剤「オンデキサ」製造販売承認取得 アレクシオンファーマ、アストラゼネカ

 アレクシオンファーマとアストラゼネカは29日、直接作用型第 Xa 因子阻害剤中和剤「オンデキサ」について、28日付けで製造販売承認を厚生労働省より取得したと発表した。
 同剤の効能・効果は、直接作用型第 Xa因子阻害剤(アピキサバン、リバーロキサバン、エドキサバントシル)投与中の患者における生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時の抗凝固作用の中和。
 オンデキサ、アストラゼネカが販売及びMRによる情報提供活動を行う。
 現在、日本では、3剤の直接作用型第 Xa 因子阻害剤が承認されており、非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制、下肢整形外科手術(膝関節全置換術、股関節全置換術、股関節骨折手術)施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制を目的に広く繁用さsれている。
 これらの薬剤は、血栓が形成されないよう血液の凝固を防ぐ一方で、生命を脅かす重大な出血のリスクを高める可能性があるが、直接作用型第 Xa 因子阻害剤を服用していて大出血を起こした患者に対する中和剤はこれまで無かった。
 オンデキサはこうした患者に対して新しい作用機序をもつ日本国内で唯一の中和剤として承認された。オンデキサの承認は、国際共同P3b/4相14-505(ANNEXA-4)試験で得られたデータに基づくもの。 この試験では、直接作用型第Xa因子阻害剤の投与を受けており、急性の大出血を起こした患者を対象にオンデキサの有効性(第 Xa 因子阻害剤の抗第Xa因子活性の中和効果、及び止血効果)と安全性が評価された。
 なお、アレクシオンファーマは製造、アストラゼネカは国内におけるオンデキサの保管・流通管理(供給・分配・在庫管理)および販売を担当する。また、同製剤に関する情報提供、ならびにファーマコビジランス(GVP)に関わる安全性情報の収集は、アストラゼネカのMRが担当する。
オンデキサは、第 Xa 阻害剤であるアピキサバン又はリバーロキサバン投与中の患者に対して、2018年5月に米国FDAより迅速承認制度により承認を受け、2019年4月に欧州委員会から条件付き承認を取得した。日本では、2019年11月19日付で希少疾病用医薬品に指定されている。

◆矢坂正弘国立病院機構九州医療センター脳血管・神経内科臨床研究推進部長のコメント
 直接作用型第Xa因子阻害剤は非弁膜症性心房細動に伴う脳梗塞や静脈血栓塞栓症の予防に欠かせない薬剤であるが、一方で止血困難な出血のリスクを有しており、出血性合併症が生命に関わることもある。
 オンデキサは、アピキサバン、リバーロキサバン、エドキサバンの抗凝固作用を迅速に中和することで止血効果を示し、生命を脅かす出血を治療するための新たな手段となるだろう。

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