好調な業績追い風に研究開発投資を増額 ベーリンガーインゲルハイム

 ベーリンガーインゲルハイムの2021年12月期の決算は、新型コロナウイルス感染症の影響が続く中も、好調な一年となった。
 売上高は206億ユーロ(約2兆6751億円)で2021年の研究開発投資総額は11.7%増の41億ユーロ(約5324 億)。今後5年間の研究開発投資額は、250億ユーロ(約3 兆2464億円)以上、設備投資は70億ユーロ(9090 億円)を計上する。 医療用医薬品のパイプラインが加速し、2025年までに15品目の上市を予定している。
 全体での売上高は、前年同期比 5.4%増の206億ユーロ(約2兆6751億円)であった(2020年度同期 196億ユーロ)。現地通貨ベースで前年同期比7.5%増となった。
 グループの営業利益は、47億ユーロ(約 6103 億円)に増加した(2020年度同期46億ユーロ、約 5973 億円)。税引後利益は、前年同期比 11.2%増の34億ユーロ(約4415億円)となった(2020年度同期31億ユーロ、約4026億円)。
 営業活動によるキャッシュフローは、1億1700万ユーロ(約152億円)減と小幅に減少し、39億ユーロ(約5064億円)であった(2020年:40億ユーロ、約5194億円)。2021 年末の時点における自己資本比率は48%であった(2020 年度同期 47%)。
 一方、2021年の研究開発投資は、前年度をさらに上回り、同社の137年の歴史の中で最高額となった。研究開発への年間投資額は41億ユーロ(約5324 億円)、前年度の37億ユーロ(約4805 億円)に比べ 11.7%の増額となった。
 医療用医薬品における研究開発投資額は、2020年の33億ユーロ(約4285億円)から37億ユーロ(約 4805 億円)へと増額、アニマルヘルス事業での投資は、2020年の4億1200万ユーロ(約535億円)から4 億1600万ユーロ(約540 億円)に1%増額した。
 フベルトゥス・フォン・バウムバッハ ベーリンガーインゲルハイム取締役会会長のコメント
 2021年は、患者さん、畜産家やペットオーナーの方々、そして当社にとって良い年となった。ヒトと動物の暮らしを変革するための貢献をさらに拡大し、当社のパイプラインをさらに強化した。
 また、当社は研究開発における取り組みを強化し、医療用医薬品の3品目について、米国FDAからブレークスルーセラピー指定を取得するなど、医療の発展に向けた著しい医学的進歩を達成した。
 アニマルヘルス事業は、2022年と2023年にコンパニオンアニマル分野と産業動物分野において革新的なソリューションを新たに送り出すための基礎を築いた。
この度、欧州が再び戦場となってしまった中での業績発表となった。私達の気持ちはウクライナの皆さんと共にある。攻撃の惨状に胸を痛めている。当社は、短期および長期の資金援助、製品の無償提供や医薬品の供給を通じ、ウクライナからの避難を希望する方々やウクライナ国内で援助を必要としている方々への支援を行っている。
 また、当社の社員も、ボランティア・デイ・プログラムを活用して支援活動に従事している。私たちは皆、この恐ろしい状況が一刻も早く終わることを願っている。

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