タクザイロ 遺伝性血管性浮腫の急性発作発症抑制薬として承認取得 武田薬品

 武田薬品は28日、「タクザイロ」について、遺伝性血管性浮腫(HAE)の急性発作発症抑制薬として厚生労働省より製造販売承認を取得したと発表した。
 効能・効果は、成人および12歳以上の小児患者を対象に、「遺伝性血管性浮腫(Hereditary Angioedema、以下「HAE」)」の急性発作の発症抑制。
 HAEは腹部、顔面、足、性器、手、喉など、身体のさまざまな場所に繰り返し浮腫発作を引き起こす希少な遺伝性疾患である。喉に発生した場合は、気道がふさがり呼吸困難を起こし、窒息死する危険もある。
 世界中で5万人にひとりが罹患していると推定されている。日本には2000人から3000人の患者が存在すると推定されるが、疾患に対する日本での認知度は低く、受診者は約450名に留まっており、未診断の患者が多くいると考えられている。
 今回の承認は、主にグローバル臨床P3試験であるHELP(Hereditary Angioedema Long-term Prophylaxis)試験(NCT02586805)、P3相HELP Open-label Extension(OLE)試験(NCT02741596)、および日本人患者を対象としたP3試験(NCT04180163)の結果に基づくもの。
 これらの試験において、タクザイロはHAEの急性発作発症抑制薬として有効性と安全性を示した。
 タクザイロは、2018年にアメリカ合衆国で12歳以上のHAE患者の発作抑制薬として初めて承認を取得し、以降、現在では50を超える国で承認されている。
 海外では医療専門家によるトレーニングを受けたうえで、患者自身または介護者による投与も可能としている。HAE患者を対象とした実薬治療期間が最も長く最大規模の予防研究の1つである臨床試験を含む堅固な臨床開発プログラムによってサポートされており、世界各国で承認申請を進めている。

◆廣田直美武田薬品日本開発センター所長のコメント
 HAEは、身体を衰弱させ生命を脅かす恐れのある疾患である。予測できない発作を発現するため、患者さんや、患者さんをサポートするまわりの方々は多くの困難を強いられている。
 日本人患者さんを対象としたP3試験を含む複数の臨床試験で、HAEの急性発作発症抑制薬としての有効性と安全性が示されたタクザイロを、新たな治療選択肢として日本のHAE患者にお届けし、HAE患者に貢献することを期待している。

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