アストラゼネカは14日、同社とアムジェンの Tezspire(一般名:テゼペルマブ)について、主要P3相NAVIGATOR試験およびP2b相PATHWAY 試験の統合データを事後解析した結果、より広範な重症喘息患者集団における有効性が示されたと発表した。
重症喘息患者のバイオマーカーによるサブグループ全体において年間喘息増悪率(AAER)の抑制を示したもの。
これらの解析結果は、バイオマーカーのレベルに関わらず、広範な重症喘息患者集団を対象とするファースト・イン・クラスの治療薬としての Tezspire の役割を裏付けるものだ。
この統合解析において、Tezspire は、標準治療(SoC)への追加療法として、ベースライン時の血中好酸球数に関わらず52週間にわたりAAERを抑制するとの一貫した有効性を示した。
プラセボとの比較において、Tezspire 投与群のうち血中好酸球数が300cells/µL 以上の被験者では71%、300cells/µL未満の被験者では48%、150cells/µL未満の被験者では48%のAAERの抑制が認められた。
また、同じ解析において Tezspire は、呼気中一酸化窒素濃度(FeNO)のレベルやアレルギー状態を問わず、プラセボと比較し、52 週間におけるAAERの改善も示した。
NAVIGATOR試験の事前に計画された探索的解析では、Tezspire は季節を問わず年間を通じて一貫した有効性を示した 。そのデータは、プラセボとの比較で、Tezspire がAAERを63% (冬季)、46%(春季)、62% (夏季)、および 54% (秋季)の比率で抑制したことを示した。すべての季節において、増悪のある患者さんの割合は、Tezspire投与群がプラセボ投与群よりも低率であった。
これらの結果は、2022年米国アレルギー・喘息・免疫学会 (AAAAI)の年次総会で発表された。Tezspire は、米国で重症喘息の治療薬として承認されており、EU、日本およびその他数カ国を含む世界中で現在薬事承認申請の審査中である。
◆米カリフォルニア大学ロサンゼルス校デイヴィッド・ゲフィン医科大学院の臨床学教授、PATHWAY試験治験統括医のJonathan Corren 教授のコメント
重症喘息患者の大半はアレルギー誘発物質、ウイルス・細菌感染症、および大気汚染などによる複数の炎症因子を有しており、そのすべてが継続的な増悪に寄与している可能性がある。 これらの新たな結果は、バイオマーカーのレベルや季節的誘因に関わらず、重症喘息の増悪を抑制する Tezspireの可能性を際立たせるものである。
◆Mene Pangalosアストラゼネカバイオ医薬品研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントのコメント
これら患者サブグループ全体に見られた増悪抑制は、フェノタイプやバイオマーカーによる制限のない生物学的製剤としての Tezspireの承認を裏付ける一連のエビデンスを拡充するものである。
季節を問わず見られた有効性に関する良好な結果と共に、Tezspireは広範な重症喘息患者集団に対する治療を変革する可能性があると確信している。