塩野義製薬は14日、島津製作所と本年1月に設立した弁会社のAdvanSentinelが、下水モニタリングを通じて、新型コロナウイルスの従来のオミクロン株「BA.1株」の派生型である「BA.2株」(ステルスオミクロン株)について、個々のPCR検査報告よりも早期に、下水中からの検出に成功したと発表した。
オミクロン株を中心とした新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染が今なお日本においても蔓延する中、イギリスやデンマークなど複数の国では従来のオミクロン株と置き換わる形でステルスオミクロン株の感染が確認されている。
ステルスオミクロン株は従来のオミクロン株よりさらに感染力が高いことが報告されており、日本においても東京都をはじめ、各地で市中感染が確認されるなど、その動向は見逃せない状況にある。
これまで塩野義製薬では、下水モニタリングにより、複数の契約自治体における下水中のウイルス濃度とSARS-CoV-2新規陽性者人数の相関関係を確認している。今回、京都府を始めとした従来から塩野義製薬が共同で取り組んできた自治体での下水モニタリングを通じ、個々のPCR検査報告よりも早期に、次世代シークエンサーでのステルスオミクロン株の下水中からの検出と、ウイルス濃度を時系列で捉えることに成功した。
同技術が引き継がれた当社の下水モニタリングサービスが、SARS-CoV-2の変異株を含めたより早い感染状況の把握に貢献することが期待される。
塩野義製薬は、下水モニタリングによる、より正確な感染状況の把握に貢献する技術と体制の構築を通じて、先ずは喫緊の課題であるSARS-CoV-2の変異株を含めた感染状況の把握に貢献。加えて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)にとどまらない次なるパンデミックや公衆衛生上のリスク把握などに向けたオールジャパン体制の構築を引き続き目指していく。