ティーペックは、コロナ禍前後(2019~2021年)の同社へのメンタルヘルスに関する相談のうち、自傷他害相談の割合の推移と傾向を健康経営情報サイト「わくわくT-PEC」で公開した。
分析結果では、「死にたい」など自傷他害をほのめかす相談の割合は減少傾向にあるものの、感染を防止する取り組みに加えて自傷他害相談への対応、メンタルヘルスサポートの強化・見直しも依然急務であることが判明した。
自傷他害相談の割合の推移と傾向の具体的な概要は、次の通り。
「死にたい」など自傷他害相談の割合の年間の平均は、コロナ禍前の2019年は1.29%であったが、コロナ禍中となる2020年には割合1.49%と増加傾向がみられた。
2021年は、引き続きコロナ禍中であるものの1.34%となり、2020年と比較し減少傾向、コロナ禍前と近い水準の割合になっています(図1)。
コロナ禍中(2020年~2021年)の推移をみると、最も数値が高かったのは2020年9月で1.83%。これは、長引く自粛生活に加え、芸能人の自死に影響を受けていると思われるケースも多数みられた時期だ。
この時期と比較すると、2021年の初めには自傷他害をほのめかす相談の割合は減少したが、2021年6月までは約1.40%以上で推移していた。夏期に一時的な改善が見られたが、その後は増加傾向に転じています(図2)。
2021年の傾向としては、コロナ禍による不況での雇用の不安定化、長く続くコロナ禍で先の見通しが持てないことによる長期的な不安の蓄積、その中で心身共に疲弊し、元々抱えていた精神的な不調が悪化したことが自傷他害をほのめかす相談に繋がっていると考えられる。
相談者からは、「ずっと我慢してきたが、気持ちが切れてしまった。もう疲れた」といった言葉が語られることも多くあり、引き続きメンタルヘルスサポートの強化・見直しが必要と考えられる。