大日本住友製薬は1日、JCRファーマがファブリー病の適応症で販売中の遺伝子組換えファブリー病治療剤「アガルシダーゼ ベータ」および「アガルシダーゼ ベータ」の日本における販売提携契約を締結したと発表した。
同契約の締結に基づき、大日本住友製薬は、本年4月1日から医療関係者に対する同剤の情報提供活動を単独で実施する。また、JCRファーマから製品の供給を受け、2022年度第 2 四半期中に、大日本住友製薬が独占的に同剤の販売および流通も行う予定にある。
大日本住友製薬は、同契約締結の対価として、JCRファーマに対して契約一時金を支払うほか、販売額の目標達成に応じた販売マイルストンを支払う可能性がある。
ファブリー病は、ライソゾーム病の一種で、X 染色体連鎖形式をとる遺伝性疾患である。ライソゾーム酵素であるαガラクトシダーゼ A(α-GLA)が先天的に欠損または活性が低下すると、不要になった糖脂質のグロボトリアオシルセラミド(GL-3 または Gb3)がライソゾーム内に蓄積するため、全身に様々な症状を引き起こす。
同剤は、JCRファーマが開発したファブリー病治療酵素製剤のバイオ後続品で、無血清培養で製造された国産初のライソゾーム病治療酵素製剤。JCRファーマは、2018 年 11 月より同剤を販売しており、2022 年 3 月期第 3 四半期累計の売上高は約 5 億円。
大日本住友製薬は、ファブリー病などの希少疾病を含む、アンメット・メディカル・ニーズが高く、高度な専門性が求められる領域を、スペシャリティ領域として国内営業重点領域の一つに位置付けており、同領域において長年にわたる販売経験を有している。