眼内ドレーン「プリザーフロ マイクロシャント」 国内製造販売承認取得 参天製薬

新たな緑内障治療法として期待

 参天製薬は2月28日、眼内ドレーン「プリザーフロ マイクロシャント 緑内障ドレナージシステム コアキットについて、日本における製造販売承認を取得したと発表した。
 同製品は、薬物治療、レーザー治療などの治療法によっても十分な眼圧下降が得られない緑内障患者の眼圧下降に用い、プリザーフロ マイクロシャント 緑内障ドレナージシステム アクセサリーキットと組み合わせて使用する。
 緑内障は、視神経(視覚情報を脳へ送る眼の神経)が障害を受け、徐々に視野が狭くなっていく疾患だ。
 基本的に進行性かつ一度進行したら元に戻らない非可逆的であるため、早期発見・早期治療による視神経障害と視野欠損の進行抑制が治療上の重要な課題で、眼圧の下降が最も確実な治療法である。
 プリザーフロマイクロシャントは、全長 8.5mm のスチレン・イソブチレン・スチレントリブロック共重合体(SIBS)製の緑内障フィルトレーションデバイスで、結膜下に本品を輪部から前房内に刺入留置することで、前房と眼外の間に人工的に房水流出路を作製し、眼圧を下降させる。
 また、プリザーフロ マイクロシャントによる濾過手術は、トラベクレクトミーと比べ低侵襲および簡便な術式で、より短時間の手術や簡便な術後管理を想定しており、患者及び術者の負担を軽減するものと考えられる。
 緑内障は、適切に治療されなければ失明に至る重篤な視機能障害をもたらす疾患である。世界中で中途失明の原因疾患として上位にランクされており、日本においても緑内障は失明原因の第一位である。
 眼圧コントロールを目的に薬物治療、レーザー治療が行われるが、薬物治療、レーザー治療などによっても十分な眼圧下降が得られない症例では観血的手術が適応となる。
 最も一般的な観血的手術式はトラベクレクトミーであり、さまざまな改良により、治療成績も向上してきているものの、低眼圧に代表される術後合併症の発生頻度などにおいて、完全に満足しうる結果が得られているわけではない。
 緑内障治療における新たな治療法としてプリザーフロ マイクロシャントを医療現場に提供することで、緑内障患者の治療選択肢を広げ、患者のさらなるQOLの向上に寄与していく。

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